Midnighters | ミッドナイターズ

2017年 アメリカ
監督: Julius Ramsay
->imdb
『The Walking Dead』のライター陣による、性悪キャラ自慢映画

あらすじ

大晦日の夜。ジェフとその妻のリンゼイは、山中の道で男を轢き殺してしまう。パーティで酒を飲んでいた2人は、今、病院や警察に行けば飲酒運転がバレてしまうと、死体を車に死体を積むと自宅へ向かう。とりあえず酒が抜けてから「男が道に倒れていた」とか何とか言いながら病院に駆け込めば、事故を誤魔化せると考えたのだ。しかし、ふと車を見てみるとナンバープレートが無い。男を轢いた時、現場に落としてきてしまったのである。

ウッカリ轢き殺した男の正体は・・・。

ジェフは慌てて現場を向かう。一方、留守を任されたリンゼイはショックで便所でゲロ吐き。そんなところにタイミング悪く、リンゼイの妹ハンナが帰宅。何も知らないハンナが姉を探してガレージに行くと、なんと男が息を吹き返して銃を取り出し、襲いかかってきたのだ。乱闘の末、ハンナが銃を奪って、男を射殺する。
銃声に驚いたリンゼイ、そして事故現場に既に警察が居たことでナンバープレート回収を諦めたジェフがガレージに戻ると、さらに悪化した事態に受け「もうこれは無かったことにするしか無い!」と決心。男の死体を袋詰めにしようとしたとき、彼の上着からジェフ達の自宅の住所が書かれたメモ見つかる。男は元々、ジェフやリンゼイに会いに来たのだ。リンゼイの浮気を疑うジェフだったが、リンゼイの断固否定。険悪な雰囲気の中、ハンナが「私の彼氏が仕事の株取引で不正に設けた金を奪いにやってきたのかもしれない。金の在処は私が知ってる。」と告白。ハンナの彼氏は、パートナーに既に殺されてしまったという……。つまり男はハンナの彼氏のパートナーが仕向けた殺し屋だったのだ。ジェフとハンナは現金の隠し場所へ向かい、またまた留守預かることになるリンゼイの元に警察を名乗る男がやってくる。当然の正体は、妹の彼を殺した男。こうして始まった夫と妻、その妹と殺人犯の金を巡る醜い争い。果たして金を手にするのは誰なのか。

実はド変態の清々しい男

レビュー

喜べ~!!俺の Alex Essoeが主演だぞ!!『Starry Eyes』(14)や『ネイバーズ(原題: The Neighbor)』(16)など、あらゆる出演作で腐ったり、ボコボコにされたりしてきた薄幸女優の彼女が、またまたボコボコにされるぜ!
今回も薄幸さを爆裂させている。家のローンのために一生懸命に働き、顧客のために対して楽しくも無い大晦日パーティにでているのに、まったく理解を示さない夫。自由奔放に振る舞い、姉にケツ拭きばかりさせる妹。留守番中に襲いかかるのは、妹の彼氏を殺した殺人犯だ。もちろん、彼は彼女を椅子に縛り付け、妹の居場所を吐かせようと、殴る蹴る。”あんた、ワザとボコボコにされる仕事を選んでない?”と聞きたくなる。

ボコられてからが本番のエソーさん

そんないつもの調子のアレックスさんも良いが、周囲の人間の醜悪具合も素晴らしい。まず殺人犯。こいつね、ちょっとズレたサイコパスというか、インテリ変態なんですよ。「人を黙らせるには首を絞めるのが一番良い!」は解るんだけど「血の味を人は、酸っぱいとかアルミニウムっぽいっていうけど、これヘモグロビンの味なのよね」だの「ブドウ糖って甘いじゃん?なんか血の味と対象的だよね。なんかこう宇宙的よね」と”お前、一体何なんだ?”と思わせつつ、タンスからリンゼイのパンツを取り出し匂ってみたりするんですよ。見た目はやり手ビジネスマンだから、そのギャップが凄まじい。

パンツをクンカクンカしている間に逆襲されるバカ

次に夫。コイツはただのバカ。毎年、妻には「来年こそは幸せになりましょう」なーんてセリフを口にして「毎年言ってるけどね」と、チクリとされる始末。実際、嫁もその妹もバカにしきっていて、まったく信用していないから、とにかく仕切ろうとするも、行き当たりばったりの判断で、墓穴を掘りまくるクソ野郎。殺人犯との口論で「お前のガレージからアジア人のポルノ雑誌を見つけたぞ!好きモノだな!」と罵声を浴びせられ、妻に「お、俺、アジア人ポルノなんか持ってないし」と言い訳する場面で如何に外面だけで生きてきたかが見てとれる。

言い訳しかしない馬鹿夫
面倒ごとしか起こさない妹

かたや妹はかなり狡猾。肝心なことを口に出さず状況を混乱させるし、姉に「義兄に言い寄られた、あの男を信用できない」と耳打ち、夫婦関係を崩壊に導こうとする。
リンゼイ以外、全員が利己的に行動するから、リンゼイ本人も暴走を始めると言うわけ。これはアレックス・エソーが出演する映画に共通するプロット。ほんといつも同じじゃねぇか!と思うんだけど、女優が同じでもキャラ自体が全く異なり、毎回、違った魅力を見せてくれる。
アレックス・エソーは、本作のインタビューで「あなたはいつも、人間の邪悪さを楽しんでいる用にも見えますが?」という質問について「普通の恋人や会社員、母親を演じることなんて簡単よ。邪悪な芝居を極めるというのは、とても良くないように見えるかもしれないけど、人が邪悪に見えるのは、それは単に”見たことが無い”だけ。私はそれを探求しているだけ。」と答えている。

本当に彼女は巧い。もっと人気が出てほしいなあ・・。

ホラー映画が、単純に残酷さだけを描いていると良く言われているが(多くはそうなのかも知れないが)、如何に見たことが無いものを表現していくか?という側面があるのと同じで、彼女が抑圧され暴走する人間を好んで演じているのは、”普段目にすることが無い人間性”のためなのだ。
ちなみに、彼女は本作をホラー映画とは考えておらず、映像の美しさに惹かれているそうな。加えて『ルナティック・ラブ/禁断の姉弟』(92)に似たような感触があるとのこと。うーん。登場人物が全員キチガイで、やたらと整った映像ってのは似てるけどさあ・・・。

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