ムカデ人間2 (The Human Centipede II Full Sequence) / 妄想人間の暴走

ムカデ人間2 (The Human Centipede II Full Sequence) (2011)Director: Tom Six Netherlands | UK | USA

白黒じゃないとムリ。いい加減にしなさい。

Review

やぁ!俺だよ!

 
↑俺

俺ね!喘息持ちでデブでカーチャンからも見放されてる、どーしよーもないオッサン!
だけど、駐車場の夜警の仕事中にスッゲェ映画を観た!!!

  
↑スッゲェ映画(「ムカデ人間」のDVDです)

俺もやる!これやる!絶対やる!なんなの?この超イケてるゲルマンキチガイ!
痺憧じゃん!ヘイターさん最高!

  

というわけで、駐車場に来るヘッポコ共を片っ端から材料にして繋げることにした!みんなで繋がろう!!!一人やれば、二人やるも同じ!どんどんいくよ!どんどんつなげるよ!

 

仕上げは、ムカデ人間#2の女優をとっつかまえて、先頭に据える!これ!

俺の妄想最高!!!

というわけでUKでは上映禁止の憂き目にあった、ムカデ人間2ことThe Human Centipede II Full Sequenceです。例によって本国PPVで配信されたものを送っていただきました。ご存じの方も多いと思いますが、前作から直接繋がる続編ではありません。本作は「ムカデ人間」を観た、うだつの上がらないデブが「俺もムカデ人間作る!」っと(妄想の中で)一念発起して(妄想の中で)12人連結の超絶技巧に挑むお話です。

しっかし、このデブちゃんですけど一体どこから調達してきたんでしょうか?完全に放送禁止の目です。で、彼は台詞が無いんですね。台詞が無い代わりに地団駄踏んだりブヒブヒ笑ったりするだけなんですよ。佐野史郎もビックリの地団駄。本当に凄い。本作がデビューとは思えないガチっぷり。

  
↑「ん゛ーーーーー!」「でひゃひゃひゃ!」「ぶーーっ!ぶーーっ!」

ボロアパート住まいの彼を取り巻く環境もひどい。息子を殺したいほど鬱陶しがっているババァ、毎晩爆音でゴアトランスを聴く上階のマッチョトラッシュ、生臭エロ神父など、日野日出志の漫画に出てくる不幸のドン底一家のようなものだ。

  

そんな底辺生活のブーちゃんであったが、「ムカデ人間」を観たことにより爆発したブーちゃんはやりたい放題。勤務先の駐車場を訪れたカップル、チンピラ、夫婦を片っ端から毎度おなじみ武器「バールのようなもの」で殴る。とにかく殴る。殴って駄目なら銃で撃って捕獲。ムカデ人材として捕獲しまくりである。

前半は淡々とそんなムカデ人材を調達するシーンが続く。「ふーん、相変わらず手堅い演出で撮ってるなあ」なんて余裕カマしていると、後半とんでもないモノを目にすることになる。

  

愛読のムカデ人間スクラップブックをカーチャンに引き裂かれて完全にキレてしまったブーちゃんは、手始めにカーチャンを血祭りに上げ、上階のマッチョトラッシュをボコる。そして、憧れの「ムカデ人間」に出演している女優、Ashlynn Yennieを拉致。さぁ12人揃いました!ってんで、1作目のヘイター博士のインテリジェントな創造とは全く異なる完全パワープレイで、ムカデ人間を創造するのだ!

  
↑麻酔無しでハンマーを使った抜歯、膝の腱切り、口とお尻はホチキス止め!

  
↑訳あって、10人になっちゃうんですけどね。

ブーちゃんは完成したムカデ人間を観て、ヘイター博士のように涙ぐむのである。そしてブーちゃんは「ムカデ人間」で一番のお気に入りのシーン「カツローの脱糞」シーンの再現を試みる。このシーンから本作は阿鼻叫喚のグログロ地獄に陥るのだ。

  
↑カツロー脱糞シーンに大興奮/あこがれのヘイター博士ピンナップ/ムカデ人間完成に感涙

  
  
↑下剤投入!!!!!
しかし、無理矢理連結したので下痢便ダダ漏れ!先頭から順番に脱糞し、最後尾の女性が壁に向かってウンコを飛び散らせる!スカトロAVでもないのに10人同時脱糞する映画なんて、滅多に見られないぞ!
当の本人は興味本位でやってみたもののかなり臭かったらしく、下痢便臭でグロッキーに・・・。

こんな状況で彼らが長持ちするはずもなく、一気にブーちゃんの妄想は崩壊していくのだが・・・。
最後、僕も嫁さんもドン引したシーンが炸裂します。僕は「えぇ?」声を上げ、ウチの嫁さんは「ふざけるのもいい加減にしろ」と怒り心頭でした。

1作目のコミカルささえ感じられたヘイター博士のようなキャラが存在しなく、ただ鬱屈としたデブの妄想が炸裂するのみ。本当の意味でエスカレートしていると言えよう。確かに、上映禁止も仕方ないかなという勢いだ。

トム・シックス監督は、こんな無茶苦茶な話を1作目同様、相変わらず真面目に真摯に撮りきってしまっている。まったく隙がない。こういうイロモノ映画は、どこかしらツッコミどころがあるのだが、それがない。さらに全編白黒であるためか、逆に変なリアリティすら感じられ、一体誰得するんだよ?という映画に仕上がっている。全く素晴らしい作品だ。