JeruZalem |エルサレム




スマートグラスで楽しむ、エルサレム観光地獄変。

作品データ

2015年 イスラエル
監督: Doron Paz, Yoav Paz
出演: Yael Grobglas, Yon Tumarkin, Danielle Jadelyn
->imdb

あらすじ

兄を亡くし、意気消沈しているサラ。そんな彼女を見かねたレイチェルは、イスラエル旅行を計画する。飛行機で出会った人類学者のケビン、現地の世話焼きなイケメン、オマーと共にエルサレムを満喫。
勢い余ってケビンと一夜を共にしたサラは、彼がエルサレムに来た目的が死人の復活現象の研究であること知る。だが「何か音が聞こえる」「息が苦しいと」訴えるケビンにサラはエルサレムを訪れた人が突如として情緒不安定に陥る現象、エルサレム・シンドロームになってしまったのでは?と疑うのだった。そして翌朝、ケビンが血相を変えて彼女の部屋へ飛び込んでくる。

「早くエルサレムを離れろ!大変なことが起こるぞ!!!」

完全にイッている顔つきで騒ぎ立てるケビン。見かねたオマーがエルサレム・シンドローム患者専用の隔離病院へと彼を連れて行ってしまう。
奇しくも今日は”贖罪の日”。ユダヤ人地区は殆ど機能していない状態だ。そこに謎の爆撃テロが発生する。ケビンの言っていることは正しかったのか?大混乱にエルサレム旧市街は、軍により隔離されてしまう。途方に暮れるレイチェルとサラ、そしてオマー。そして彼らの前には現れたのは巨人ネフィリムや翼を持った闇の天使達だった。

右がサラ、左がレイチェル(とってもユダヤな顔つきです)
ちなみにレイチェル役の女優さんは、パリ生まれのイスラエル育ち
足が臭いと馬鹿にされて苦笑するレイチェルとオマーさん
贖罪の日に向けて、サラに白い服を買ってあげようとするケビン
イスラエルのユダヤ人は、贖罪の日に真っ白な服を着なくてはならないのです。

レビュー

最近のPOV/FF(ファウンド・フッテージ)は、単なる一人称視点映像が垂れ流しとなり、その監視カメラや手持ちデジカムが醸し出す安易な臨場感に頼りすぎている。「エビデンス 第6地区」や「クロニクル」、「アフリクテッド」のように劇的な効果を上げる場合もあるが、多くの場合は見切れるモンスターや画面を覆い尽くすノイズ勝手に開閉するだけの戸棚等々退屈で素レスのたまる映像を見せられるだけの駄作・凡作が殆どだ。

さて、この「JeruZalem」はどうか?

浮かれ騒ぐわかものがを襲う突発的な人外による一方邸な破壊。こういいうと「クローバー・フィールド」を連想するかもしれない。しかし、悲しいことにそんなに予算のある映画では亡いので
スケールは小さい。巨人ネフィリムは一瞬しか登場せず、街が大規模に破壊されたりはしないし、派手な切株描写も亡い(ヘッドショットはあるよ!)視覚的に面白いのは闇の天使の背中から「ワッシャア!」と翼が生える描写のみ。この生えっぷりは見事。これは製作陣も気に入ったのか、レッドブルでもガブのみしたかのようにあワッサワッサと生える。正直言ってストーリーは凡庸そのもの。だが、本作には特別な点が2つある。
1つめは、エルサレムロケ。本作はイスラエル映画である。そのため現地のロケはあまり苦労がなかったのだろう、嘆きの壁や聖墳墓協会など名所が次々と登場し、まるで観光しているかのように楽しめる。21世紀に入ってからある程度情勢は安定していると聞いてはいるが、実際に多量の屍を積み上げたとしでの撮影と思うと何とも言いようのない気分になる。劇中で言及される”エルサレム・シンドローム”は実際に多くの旅行者が発症するようで、市街に多くの精神科があるのは本当だそうだ。 また、殆どがゲリラ撮影であったことも付け加えておく。

2つめは”スマートグラス”の使用。本作は、デジカムでも監視カメラでも亡く、主人公サラが身につけているスマートグラスを通しての映像となる。”スマートグラス?なんですかそれ?”という向きに簡単に説明すると、スマホの機能を載っけたメガネ。スマホの画面がメガネの内側に表示されると思ってくれれば良い。人を見れば顔認識が行われFacebookで勝手に検索してくれるし、道に迷えば地図が表示される。さらにズームアップや写真・動画撮影、YouTube鑑賞となんでも出来ちゃう夢のような小道具なのだ。
そんな小道具を主人公が四六時中装着しているというわけ。これで何が起きるかといいと、劇中、必要な情報だ補完されるようになる。スマートフォン持ちっぱなしで映画を観ているようなもんなのでかなり鬱陶しくもあるのだが、これまでに無い主人公との”知識レベル”での一体感が生まれる。さらには製作者が意図した解釈が出来るように観客を誘導することが可能なのだ。例えば、ある悪魔の顔が顔認識されたとして、それの顔の検索結果が・・・・・・とか。画面へ情報をひっきりなしにぶち込むというやり方は賛否あるだろうが、かなり印象深い。
この2点から”体験”という意味合いでは、JeruZalemは正しいPOV/FFと思える。現在、日本公開の噂はなく、配信でしか鑑賞できない。加えて贖罪の日や関連する儀式など若干ユダヤ教の知識がひつようとされるのも敷居が高いが、見てそんはない作品だ。

虫ゲロ 翼がワッシャア!
ムチャムシャ バッサバッサ
観光地ではWikipediaが表示 悪魔の顔も認識します
スマートグラスを落として 誤動作で表示される猫動画