->imdb:Resident Evil: Afterlife
アリス、それバイオちゃう、L4Dや。
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Review
本作の監督、ポール・W・S・アンダーソンって、よく「ダメなほうのポール・アンダーソン」って言われてるんですよね。そりゃねぇ、ポール・T・アンダーソンに比べたらアレですよ。ダメですよ。彼には「ブギーナイツ」も「マグノリア」もましてや「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は撮れませんよ。えぇ。
でも、B級撮らせたら結構イケるクチと思ってるんですよ。少なくとも僕は。「イベント・ホライゾン」や「ソルジャー」は、しょうもない映画かもしれませんが、B級として頑張った一品思うんです。ほら、いつもの「あ、なんか週末に夜中に観たらちょっと楽しいかも」という、あの感じ。もちろん「バイオハザード」の1作目もね、「あー、この人、元ネタのゲームも好きなんだろうなぁ」っと多少なりとも愛を感じる内容だったし、楽しんで撮っている感が伝わって、「なんだか、しょーもないけど、そこそこ楽しめるよね」という印象だったんです。たしかに最近の「エイリアン.vs.プレデター」あたりはダメダメ映画でしたけど。
というわけで、このバイオハザード。このシリーズは、ゾンビ映画どころかクリーチャー映画でもなく、アクション映画でもなく、ゲームの映画化でもなく、”ミラ・ジョヴォヴィッチを格好良く撮る映画”として、進化(?)してきたわけです。
ラッセル・マルケイが撮った3作目は、”B級映画”としての軌道修正を行い、なんとか映画としての体裁を保っていたが、再度、ポール・アンダーソンが撮った本作では、ついに”ミラ・ジョヴォヴィッチを格好良く撮る映画”の最終形になってしまいました。
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冒頭、3作目の複線を改修するべく、沢山出てくるミラ。ポールさんの愛妻のミラさん。アホほど大量に出てくるミラさん。しかも、今回は飛び出すよ!!「おいコラ、嫁が沢山いたらいいと思って撮っただけじゃねえのかよ?」という、そんなオープニング。(渋谷のシーン?あんなのいらねぇだろ。)
いきなり、そんなダメモードに突入してしまうポールさんの演出。のっけからダメ続きでどうしようかと思う。
さらに予告でもアピールされている、マジニ戦、ウェスカー戦。これね、その部分だけ切り出してしまえば凄くスタイリッシュで良いアクションシーンなんですけど、何がダメって、”戦闘シーンが始まると脇役が消えちゃう”んですよ。アリスやクレア、スコフィールド、じゃなかったクリスが格好良く戦う。でも、「あれ?さっきまでいた脇役のオッチャンやチャイニーズは、どこにいっちゃったの?」っという。
で、ひとしきり見せ場が終わった後で、「あいつは?」「やられた・・」とか、そうでなければ、また知らぬうちにフレームインしたりとか。そういう勢いで存在を片付けられちゃう脇役の方々。これ、ダメにもほどがありますよ。そんなのが淡々と続くので、僕は川崎109のIMAXで観たんですけど、3D ギミックとIMAXの巨大スクリーンが無いとちょっと厳しい感じです。
あ。でも、プロペラ機がビルの屋上に着陸するシーンとコインを詰めたショットガンを使うシーン。この2カ所だけは、良いポール・アンダーソンが観られます。
とりあえず、CMでも流れてる A Perfect Circleの6年前の楽曲、「The Outsider」のPVをダメなポール・アンダーソンが嫁を使って撮ってみましたというところ。
要は、「俺の嫁は子供を産んでもこの体!たまんねぇよ!!自慢したい!!よし!俺の育てたシリーズで、嫁のPV作っちゃうぞ!うっひっひ!」という一品でした。
その他、思ったこと。
- いくら吹き替えだからって、文字情報を心の声として読み上げるのはやめてください。
- ウェントワース・ミラーは金輪際、牢屋には入らないでください。あなたは牢屋に入るとキャラが完全固定されます。
- シエンナ・ギロリーの扱い。ほんとね、いい加減にしなさいよ。コスチュームはエロくてよかったけども。
- ビルからのダイブシーン。これ、「Left 4 Dead」からいただいたでしょ?ほんと、ゲーム好きだねぇ。