->imdb:The Woman
ケッチャム作品の集大成
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Review

一見幸せそうに見える弁護士クリスさんとその一家。モチロンそれは見かけだけ。
そう、このクリスさん、中身はドロッドロのド変態暴力オヤジなのです。


↑誰も文句は言いませんが、強権的な雰囲気プンプンで家族を威圧


↑嫁さんもそんな夫に怯えてガリガリです。(「May」「虫おんな」などラッキー・マッキー作品常連のアンジェラ・ベティス)


↑長男は父親の影響で、性格がグニャグニャにねじ曲がっています。

 
↑長女は最近体調が悪い。学校の担任には妊娠を疑われています。
(あー、妊娠してたとして、誰の子なんでしょうねぇ?あははは。)

 
↑唯一まともな末っ子のダーリンちゃん。ジンジャークッキーの首をモギって遊んでます

そんな起爆剤まみれのクリスさんの趣味は狩り。ある日、山に出かけたら、”ウーマン”さんを見かけ、思わず捕獲。彼女がオフシーズン、オフスプリング(aka.襲撃者の夜)の惨劇を引き起こした食人一家の生き残りであることも知らずに「こりゃ面白い土人を見つけたわい!」っと、ルンルン気分でお持ち帰り。納屋で飼うことに決めたのです。

 
↑ウーマン、ゲットだぜ!


↑「よし、オマエら今日から俺はコイツを飼うぞ!」「・・・」
土人テイストといえども、人間を飼う宣言にさほどの違和感を感じていないこの一家。その秘密は最後に明かされます。

  
↑クリスさんの豪腕調教により、次第に言いなりになるウーマンさん。

 
↑ついに慰み者にされます。そしてそれを覘く長男。

順調に調教は進みご満悦なクリスさん。しかし、長男までもがウーマンの調教に手を出し始め(乳首をラジオペンチでモギる!)あまりに常軌を逸したインモラル生活に嫁がブチギレ、クリスに刃向かいます。当然、見事なワンツーコンビネーションで嫁をボッコボコ。そこへ長女の担任が訪ねてきて・・・。

 
↑「やってられっか!」と言われたとたんに、ボッコボコです。体裁を繕うために無理矢理椅子に寝かせて、訪ねてきた学校の先生には「いやぁ、今、嫁はパワーナップ中なんすよ」などと苦しい弁解。

  
↑哀れ、学校の先生も巻き添えに。彼女が一番酷い目に遭うんですけど、それは観てのお楽しみ。

あまりの惨状にテンパった長女は、「ウーマンさんなら・・・ウーマンさんなら何とかしてくれる!」っと、ウーマンを納屋から解放するのです。

破綻は突然やってきて、すべてを破壊し尽くす・・・。

監督のラッキー・マッキー、良い仕事しやがります。以前に同じくケッチャムと組んだ「Red」(aka.老人と犬)も手堅いデキでしたが、今回はそれ以上の素晴らしい仕事である。
本作は、J.ケッチャムの血みどろ食人小説シリーズ「オフシーズン」「襲撃者の夜」に続く作品。「襲撃者の夜」は、映像化され国内盤DVDも発売されているが、ハッキリ言って駄作だった。(もちろん小説は面白いのだが)なぜなら、元々”ウーマン”の一人語りが多い作品であったにも関わらず、その心理描写が映像に全く反映されず、ゴア描写も中途半端だったからだ。
しかし、本作は素晴らしい。ウーマンは殆ど話さないし、話してもガオガオ吠えているだけなのだが、その表情や仕草で”ウーマンが何を考えているのか?”が鑑賞者に伝わってくるのだ。

 
↑ウーマンを捕獲したクリス。彼女をナメてかかってたクリスの指を食い千切るウーマンの顔。いいですねぇ。

 
↑クリスがウーマンの体を洗うシーン。その行為を見て嫁が嫉妬していることに気がつくウーマン。(惜しいかなあ、この後、会話でその嫉妬について言及されてしまう。)

 
↑解放されたウーマンさんは、いの一番にベラを襲う。何故最初に襲うのか?という部分も分かりやすい。

ウーマンを演じている女優さんは「襲撃者の夜」からの続投なのですが、監督変わればここまで芝居も変わるのか?っと感心するほどです。


↑ウーマンの中の人は、結構な美人さん

微妙なバランスを保っていた生活が、雪崩のようにぶっ壊れていくというのはケッチャム作品のおなじみの展開であろう。本作は、そんなその雪崩の映像化に成功した作品している数少ない作品だ。傑作。音の使い方もお洒落。完全にネタバレになるのでキャプチャは載せませんが、胴体裂断、モラ・ラムもビックリな素手での心臓抉り出しなど残酷描写も頑張っています。


↑心臓抉り出しといえば、この人。

  

・・・そういえば「オフシーズン」の映画化ってどうなったんだろ・・。

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