近年まれに見る最強の雰囲気映画

感想

「敏腕サウンドエンジニアがホラー映画制作のためイタリアのスタジオに招待され体験する恐怖」という内容なんですけど、例の「虚構と真実」が入れ子になった展開で難解・・・というか、僕お手上げな内容。IMDB等での評価は6ポイント台でホラー映画にしては高め。しかし、海外の老舗サイトのレビューを読んでも「意味不明」、「難解」としか書かれていない。ただ、その幻想的な映像やテープエコーが掛かりまくった効果音、たたみかけるような悲鳴は視覚的聴覚的に非常に刺激的であることは間違いない。さらに時代設定はジャッロが流行した70年代であるため、懐かしいアナログなサウンドエンジニアリングシーンが楽しめる。

ジャッロへのリスペクト映画としては[Amer]が合ったけど、アレもいまいち不明瞭な内容の作品でした。このBerberian Sound Studioも同じように”あ、懐かしい・・”っていうのがいくつあって・・

・オープニングクレジットは完全に70年代ジャッロ
・映写機を操作する黒革手袋のクローズショット(アルジェント風味)
・ゴブリンという単語が時折でてくる(アルジェント風味)
・Witch gapsなどと書かれたキューシート(アルジェント風味)

こんな具合に色々あるんですけど、内容はサッパリ・・・。説明しようにも何が起こっているのかさっぱり解らなくて説明不能なんですよ。というわけで、降参です。でも、食物を使ったサウンドメイクシーン、70年代イタリアンホラーファンはニヤニヤすること請け合いのシーンは見ていて楽しい。墜落死音やら頭をかち割られる音(野菜の音)、(野菜が)溺死させられる音、チェーンソーで肉を切る音(ミキサーで野菜を刻む音)等々、ゴアゴアな(野菜)サウンドは大量に出てきます。(でも、どんな映像なのかは一切でてこないよ!)

制作者の70年代イタリアンホラー愛は意味はわからなくても十分伝わる。もしかすると、この映画は「古き良きサウンドエンジニアリングへのリスペクト」としてのみ制作されたもので、ストーリーなんかどうでも良かったのかもしれない・・・。ところで、主演の小さいオッチャン(トビー・ジョーンズ)って、ちょっとフルチっぽいよね。

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