->imdb:Triangle
例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚。
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synopsis


シングルマザー(たぶん)のJessさん。育児疲れを癒そうと
お友達と快適クルージングに出かけます。

快適クルージングのはずだったのですが、なぜか猛烈な嵐がやってきて
ヨットは転覆。あわや遭難の憂き目に遭います。

まったく、折角、疲れを癒そうとしたのに散々です。
しかもお友達の一人は行方不明になってしまいます。

転覆したヨットの上で途方に暮れる、Jess、Greg、Victor、Sallyの四人ですが
そこに豪華客船(でもなんか古い)やってきます。

「やった!助かった!」と、喜んで乗船する四人。
しかし、客船は何故か無人。豪華なフルーツなんかも用意されていますが
人っ子一人いません。なんだか、よく聞く幽霊船みたいな、怪しい船です
AEOLUS(アイオロス)という船の名前も非常に意味深です(実際、オチに繋がる意味はあります。)

船内を散策すると、なぜかJessさんの家と車の鍵が落ちています。

「?・・なんで?」

っと、疑問に思っていたら、血痕や謎の血文字メッセージを発見!
そして謎の覆面殺人鬼に襲われます。

Jessを除く3人は、あっという間に殺されてしまいますが、
何故か3人はそろって「Jessにやられた!」と言い残します。

なんだか、あらぬ疑いをかけられたまま、一人残ってしまったJessさん。
覆面殺人鬼とのタイマンに見事勝利。呆然としているとそこに、”自分を含む殺された三人”を
乗せた転覆ヨットがやってくるのでした・・・。

「なぜ?なんで自分がもう一人いるんだ?」

Jessさんは気がつくのです。先の覆面殺人鬼は、別の自分であると。
そして、この殺人は延々と繰り返されていることを。

無間地獄から抜け出そうとJessさんは、試行錯誤しますが、過去・未来の
自分自身の虐殺がどうにも止まりません。

どう抗っても、再びやってくる自分を乗せたヨット。
彼女が観るのは、延々繰り返された殺人による、仲間の山積み死体。
(しかも、全員同じだ)

結局、彼女は別の自分との格闘に負け、海に転落。
目を覚ますと、地元の浜辺。

家に帰ると、子供に辛く当たる、また別の自分が居るのでした。

何を思ったかJessさんは、その別の自分自身をハンマーで撲殺。
死体を詰め込み、子供と一緒に車で出かけます。

途中、鳩をひき殺してしまうのですが、鳩を路肩に処分しようとすると
そこには、大量の鳩の死体が・・。

そう、これも予定調和無間地獄ループの一部だったのです・・・。

再び走り出す車、騒ぎ出す子供、そして目の前にはトラック。。。

トランクの撲殺済みJessは事故死として扱われ、
運転していたJessは、諦め顔でタクシーに乗り港を目指す。。。

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Review

「例のあの感覚、フランス語でしか言えないあの感覚」ってのは、S.キングの
短編で、無間地獄に嵌った女を描いた一品。なんとなく思い出したんで、書いてみただけです。

こういう不条理パターンの作品は、大体、「ジェイコブス・ラダー」あたりのオチに落ち着くのですが、
この作品はなかなか捻ってありました。

「実は死んでました」「実は夢でした」といった、安易なところには着地を許さず、
徹底的に不条理無間地獄を描ききっていると思います。
それでいて、観客を過剰に混乱させようとはしていません。ヒント(船の名前、傷のついたレコード、Jessの夢、等)もしっかり組み込まれています。ただ、Jessがなんで無間地獄に陥ったのか?という説明は全くありませんが。

監督・脚本はSeverance(aka.サヴァイブ 殺戮の森)、Creep(aka.レイジ34フン)のChristopher Smith。どうりでちょっと捻くれた映画です。
前作のSeveranceは、コメディ路線が強く出たスラッシャーでしたが、本作は、お笑いはありませんし、Creep、Seceranceの2作品のようなゴアゴア描写もありません。トワイライト・ゾーン的な不条理地獄を淡々と表現しています。

しかし、時折見せるスラッシーな表現はやはり秀逸。
次作の「Black Death」も楽しみです。

本作には細々とした設定や小ネタがあるのですが、別のサイト様がガッツリと詳しくレビューされています。
是非そちらも参考に!

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