Chill Factor (aka. Demon Possessed)

Demon Possessed (1993)

これは『トロル2』のような地獄の駄作なのか?

 スキモノの間では非常に有名な作品。しかし、僕はこの映画の事は全く知らず、英Allow Video社が2KリマスタBlu-rayを発売したことで知るに至り、初めて観賞した。いやはや、これが良くも悪くも酷い代物。Blu-rayに付属している冊子にあるレビューを読んで見ると、Mike White氏(※1)が「あえてヘボい映画を作ろうと思うと酷い代物にしかならないが、マジモンでヘボい映画の場合、すっげえ傑作になる時ある。それがこの『Chill Factor』だ!」と述べている。その例として彼は『トロル2』や『ショーガール』を例に挙げている(この2つを同列に語るのが、なかなか楽しい人だ)。なるほど、つまり「あんまりも酷くて楽しくなっちゃう映画」なんだなと認識。見てみると本作の監督クリストファー・ウェブスターは、全くもって遊び心を持つこと無く、本気でホラー映画と作ろうとした感じを受ける。だって、なんか本気を感じるんだもん・・・。

※1映画レビューポッドキャストProjection Boothの人気レビュアー

いつものプロットだが、何かがおかしい・・・。

 雪山でバケーションを楽しむ6人の若者。スノーモービル競争で転倒し、大怪我を負った仲間を抱えて、彼らが迷い込んだ雪原の山小屋。そこはかつてカルト教団が悪魔降臨の儀式の行った場所だった。

そこでDevil Eyeというウィジャボードっぽい板きれで遊び始めた彼らは、底に眠る悪魔を呼び起こした事に気がつかない……。そしていつもの通り、目覚めた悪魔に次々に殺害されている一行。


 「死霊のはらわた」っぽいアレだ。しかし本作、ヘンだ。ホラー映画に対してヘンだとかオカシイとか言うのはナンセンスだ。でも作品のポイントとなるDevils Eye。これがオカシイ。これはコンパス型で人手を介すること無く動作するもの。ウィジャボードならプランシェット(矢印にレンズの付いたアレ)に手を載せているから、オートマティスムで動いていると思っても不思議ではないけど、このDevils Eyeはコンパス……完全自立型なのだ。このDevils Eyeがグルグル回ることを全く不思議がらずに受け入れる一行がとても異常に見える。だって、怖くないですか?コンパスが勝手にグルグルするんですよ。明らかにおかしい。


 だがこれは単に鈍感力を先鋭化させた結果なのかもしれない。というのは仲間が頭を強打して寝込んでいるのに、すぐ横でセックスしちゃう。生命の危機に瀕しているので、本能的に繁殖行動を行ってしまう気持ちはわかる。でも、寝込んでいる仲間の横で一発ってのはどうかと思う。もうちょっと離れていたしてほしい。(とはいえ、俺が学生時代に合宿所でおっぱじめられたときもあるから、ヤレるヤツはやっちゃうんだよねぇ)
 あ、そうだ。男性陣が全員ジョックス系というのもいい。吹雪の中、一人、助けを求めにスノーモービルを駆るんだけど、心配する仲間に一言

 「フットボールプレイヤーは迷わない!常にエンドゾーンが何処にあるか知ってるのさ!」

といい台詞をキメてくれる。

スノーモービルチェイスが凄い!

 そんなこんなでやいのやいの言いながら、次々と死んでいく一行。一番のウリは滑って転んだ所に氷柱が落ちてきて目に突き刺さるところなのだろう。でも、俺のお気に入りは勝手に紐に絡まって絞死するお姉さん。非常に滑稽でよい。真っ赤になる顔もまた素敵。そして終盤、大怪我追ったはずの仲間が悪魔的な存在に大変身。中学生が考えたカルト信者のような出で立ちでヒロインを追いかけ回す。しかもスノーモービルで!これが本当に危なっかしくて面白い。このシーンだけ5回ぐらい観た。なるほど、Arrowがリマスタしたのはこれがあったからか!と納得。

 ド派手なスノーモービルチェイスの後、30年後のヒロインのナレーションでちょっと切ないオチが語られる。ただ、この声、キャスティングディレクターとして当時活躍していたのバーバラ・クレイマンが担当しているのだけど、声が太すぎてお爺ちゃんの声に聞こえるんだなあ。本作のキャスティングディレクターは務めてないのだけど、彼女の立場だったら、ナレーターとして自分をキャスティングしただろうか?疑問に思うのであった。

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