グレイヴ・エンカウンターズ (原題:Grave Encounters) (2011)Director: The Vicious Brothers Country: Canada

Review

ゴーストハント番組「グレイヴ・エンカウンターズ」の面々が、怪現象が目撃さえれている曰く付きの廃精神病院に一晩泊まって真相を確かめよう!というPOV作品。

ディスカバリーチャンネルでも似たような「心霊スポット調査隊」という番組を放送しているが、あくまで科学的に心霊現象を解析しよう番組。それに対し、本作の「グレイブ・エンカウンターズ」は、超常現象を超常現象として捕らえたい!ヤラセをしてまでも!!っという、胡散臭さ爆裂の番組だ。

前半部分からアホじゃなかろか?というくらい、胡散臭さを隠さない。
その辺のパンピーに金を渡して「おお、あそこで気味が悪いものをみただよ〜」などとヤラセ証言をとったり、やたらと「Grave Encounters!」とアイキャッチに拘るリーダ、いかにもな神妙な表情でカメラ目線をカマす雰囲気スピリチュアルな胡散臭い霊能者も登場し、

「こいつら心霊現象どうのこうのっていうか、単に格好付けたいだけじゃねぇか!」

といった風である。

  • とにかく、格好付けたがりなのだ!

そんな格好付けたがりの一行は、夜の廃病院で一夜を明かすとなっても普通やったら面白くない!っと(思ったかどうかはしりませんけど)、病院の出入り口を外側からチェーンで施錠。自らの退路を断った上での俺様キモ試しに興じるのだ。

最初は本当に聞こえだしたラップ音に大喜び。こりゃスゲェ!っと大興奮。リーダーと雰囲気スピリチュアルが主役を取り合うあったりと、「俺が!俺が!」のひな壇芸人根性が炸裂。

  • とにかく俺が、俺がのご一行です(右)びびっていてもアイキャッチはしっかりと(左)

しかし、物理的に攻撃される霊障に遭遇してから、「やべぇよ〜!やべぇ〜!」っと真顔になり、あんだけカッコつけていた連中がヘロヘロになっていく。この落差がなんとも楽しい。面白半分で亡霊をからかっちゃイケませんね!

  • もうお家に帰りたいよぉ(左)やべぇよーやべぇよー(右)

予告でおなじみの彼女を始め、テンコ盛りのビックリイベントが次々と襲いかかるクライマックスのお化け屋敷体験はPOVならではだろう。
すでにネタが出揃っているジャンルであるため「どっかでみたような」映像の連発になり、驚かせ方や怖がらせ方は非常にベタ。しかし、畳み掛け方が半端なく、力で押し切るかのような勢いは圧倒的である。

  • 例の予告でおなじみの人

またPOVかよっ!っと、食傷気味の人もいるだろうが、先発作品の美味しいところだけを詰め込み、屋内POVの集大成と言っても良い作品。(屋外では「Evidence」というパワフルな作品がある。こちらについては別でエントリを立てます。)

お化け屋敷に行ったつもりで観れば、かなり楽しめるのではないかと思いマス。
モチロン、そのお化け屋敷からは絶対に出られないんですけどね!!

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