Evidence (2011)Director: Howie Askins Country: USA

Review

キャンプしながらドキュメンタリー撮影しようと若者4人が訪れた森には"何か"が蠢いていた!最初は不気味な呻き声が聞こえてくるだけであったが、森に連泊するうちに次第のその声の正体が明らかになる。といういつものノリの屋外POVモノ。しかし、またまたまたまたPOVかよーーっ!なんてスルーするには勿体ない作品です!

思わせぶりな前振りで埋め尽くされ、退屈さばかりが際立ってしまいがちなこのジャンル。しかし本作は退屈な導入部はごく僅か。怪物の影がフレームインした瞬間、この映画は強烈なハイテンションパニックPOVと化す。
なんだか解らないけど黒いクッキーモンスターに延々と追いかけられ、立ち止まれない、立ち止まると殺される。とにかくカメラ片手に走って走って走り倒すのだ。

  • キャッキャウフフしてるのは、最初の10分くらい。

  • 黒いクッキーモンスターが何所までも追いかけてくるよ!!走って走って逃げないと、内臓デローンです。


そして気がつくとクッキーモンスターどころか、なぜか武装兵士や気が触れた手術着の男、そしてガスマスク兵士に追いかけられているという始末。下手な謎かけも無いまま、とにかく逃げるのみ。異様なテンションの逃亡劇はエンドロールが終わるまで続き、気が休まる事がないという悪夢といった具合。
ランニングタイム80分弱の作品だが、後半40分の勢いが凄まじい。なんでこんな連中に追いかけられているのか、さっぱりワカラン。ワカランのだが、設定上、撮っている方もワカランのだがらそれでいいのだ。

  • もう、何がなにやら!!!ガスマスク被ったまま全力疾走してくるんです。

  • 手榴弾でバラバラにされたり、みんな大好き妊婦もでるよ!!!

本作はVODやDVD、動画配信で見ることを前提にしている。劇場公開はしないのだ。だから豪快な手ブレや目に悪そうなノイズがどっさり。非常に粗っぽく、かなり生々しい。正直、このレベルでのブレやノイズでは劇場での鑑賞は厳しいだろう。そりゃ「証拠(エビデンス)画像」だしねぇ。

これは出演と脚本を兼ねているライアン・マッコイが「本気で撮るならPOVなんかより、普通に映画撮った方が楽だし安上がりだし早く撮れるよ。やっぱり生っぽさが大事なのさ」なんて言っている通り、低予算故の手法ではなく、あくまでライブ感に拘るというコンセプトで制作された結果とも言える。

相変わらず「なんで常に良い塩梅にカメラを構えているのだ?」という疑問はつきまとうが、後半の異様な勢いだけは是非体感して欲しい作品。僕は後半部分だけを何回も見なおしているくらいお気に入りです。

  • 超いい顔で逃げ回ってくれるし、変な虫まで登場する、もちろん見た目ノーマルな連中からも追いかけられる。全く訳がわからなくて楽しい!!!

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