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人生最大の世界旅行しようと思ったら、アンデッドに噛まれ、すんげぇパワーを手に入れて、不幸なんだけど、ある意味、幸せ〜!な お話

作品データ

監督:デレク・リー,クリフ・プロウズ 出演:デレク・リー,クリフ・プロウズ

レビュー

何故かアンデッド

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デレクとクリフは大の仲良し。彼らは一生に一度となるであろう、大旅行を計画していた・・・End of The Earth・・地の果てまで行ってやろうと。そんな折、デレクは脳に問題があり、もしかしたら長く生きられないかも知れない体であることが発覚。一時は取りやめる事も考えたが、デレクの強い意志やそれを気遣うクリフの努力で旅行は無事スタート。しかし、それは血にまみれた旅行の始まりでもあった。

フランスでの夜。デレクは一人の女をパブで引っかける。「まぁ、好きにやらせておこう」とクリフは、多少訝しいと思いながらもデレクを先にホテルに女と共に返し、"一戦が終わるまで"現地の友人と時間を潰す。

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ホテルに戻ると血塗れでベッドに横たわるデレクの姿が!「一体何が!!?」とクリフは心配するもデレクは何も覚えていない。目上が切れ、腕には何か噛み傷のようなものがあった。

翌日、イタリアへ向かう2人。デレクはどうも調子がすぐれない、眠い。とにかく眠いのだ。ホテルへ到着後に、日の高いウチから昏々と眠りつづけるデレク。翌朝になっても眠り続けるデレクに「おまえ、いい加減、腹へってんだろ?メシ喰いに行こうぜ!」と半ばあきれ顔で誘うクリフ。早速、眺めの素敵なカフェで山盛りスパゲティを注文しムチャムシャと頬張るデレクであったが、スパゲティを飲み込むが早いか盛大にゲロを噴射。

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「お前、やばいだろ、医者にいかないと、旅行も中止にした方がいいだろ?」そんなクリフの言葉にイラつくデレク。「まだ始まったばかりなのに・・チクショー!」八つ当たりにホテルの壁をブン殴ってみたら、壁が砕ける。「ハァ?」

固い破片もバキバキと潰すデレク・・。岩を砕き、原チャリより速く走り、悠々と2階の屋根まで跳躍する・・面白がってその様子をビデオで撮りまくる2人。

翌朝、観光しているとデレクの体が突然焼けただれ始める。日差しが熱い!!大急ぎで日陰に隠れるデレク。

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ホテルの部屋の暗がりで落ち込みながら、メシを食べようと努力するデレクであったがどうしても吐いてしまう。そして彼は一つの結論に達する

「血だ・・血が必要なんだ・・」

クリフと共に家畜の血を飲んだり、肉屋から調達してきた血を飲んでみるがやはりダメ。たぶん人間の血がいるのだろうと、血液銀行に忍び込むも失敗。果ては救急車を遅い指名手配される始末。

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限界に達したデレクは、完全に人外の風貌となり泡を吹き痙攣する。見るに見かねたクリフは自分の血をコップに溜め、デレクに飲ませようとするが、理性を失ったデレクはクリフに襲い掛かる。

血を飲み、理性を取り戻したデレク。しかし、友人殺してしまったショックから。自分の頭を猟銃でぶっ放す・・・。

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しかし、傷は瞬時に治癒。デレクは死ねない体なのだ。「畜生、あの女のせいだ。あの女を見つけ出して、治してもらうしかない。そしてブッ殺してやる!!」指名手配されているデレクはインターポール(!!)の追跡を交わしつつスペインに駆け戻るのであった・・・。

「アンデッド・クロニクル」

超人的な力を手に入れたデレクがド派手にアクションを決めるシーンが予告編で使われているため、「クロニクル」を連想する方々が多数いるようです。たしかにクロニクルっぽい。ネタも超人パワーに友情を扱っていますし・・。

ただ、こちらはオッサン2人かつサイキックではなくアンデッド化。だから伝わってくる湿り気が半端ない。クロニクルもかなり暗い一面をもった作品でしたが、それとは比べものにならない湿気と暗さがある。

凡庸なストーリーを生まれ変わらせるPOV

単純に没入感・臨場感を持たせるだけのために使われている点もクロニクルと共通している。ただ、あちらがあらゆる映像ソースを活用していたのに比べ、こちらは自前のデジカムオンリーです。(超能力でカメラを浮かせることはできませんからね!)

デレクが一人になってからは、完全なファースト・パーソン・ビューとなり、「Hotel Inferno」に近くなる。とくにインターポールに追いかけられながら、フリーランニングをキメる映像は凄まじい臨場感。

出先で怪物に襲われ自分がアンデッド化というのは、取り立てて面白い話でもないし、今更そんなネタ・・・というものである。しかし、どうだろう。旅の記録として淡々と語られてしまうと、あら不思議、異様なまでに引き込まれてしまうのだ。”隠すためのPOVではなく、なりきる為のPOV”は、まだまだ有効だ。

さらに、最近のPOVにありがちな「素人のHDカム画質」を捨てているところも評価したい。もちろんHD画質での場面もあるが、主観者の精神状態に合わせた画質の粗さを巧みに使い分けている。これが非常に効果が高い。

デレク・リー、,クリフ・プロウズお前らはいったいなんなんだ

こんな映画を、長編一作目にしてサクッと撮ってしまったこの2人は何モンなんだろう・・・・・。本作の前には4作ほど短編を撮影しているが、これといって注目をされていなかった。しかし、今回は奮起し、丸4年、凍結されること3回の苦難を乗り切って完成させたとのこと。決して「サクッ」とでは無かったらしい。おそらくは次作が勝負どころだろう。

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