ランダムチャットでキチガイに付きまとわれ、果てはスナッフ動画騒ぎに巻き込まれるお話
作品データ
監督:サカリー・ドナヒュー
出演:メラニー・パパリア、デビット・シャラツェンホッフェン
レビュー(注意!今回はネタバレまくりです)
80分間 Macのデスクトップ画面で展開する鬼POV
ウェブチャット大好きっ娘の学生エリザベスは、なんでもかんでもウェブチャットで済ませる典型的インターネット中毒女。
ベスさんは”大好きなネットをいっそ大学の研究題材にしてしまえ!”と”だれでも簡単に繋がれるSNSの研究”という課題を学校に提案。これが通ってしまう。
”いやっほーーーい!”と大喜びで、研究にいそしむベズ。お気に入りのSNSサイト、「The Den」に入り浸り、ランダムチャットでネットギーク共と会話しては研究というお題目でヘラヘラ遊びまくるベズ。しかし、ある日、Pyagrl16といアカウント名とランダムチャットで出会ってから様子がおかしくなっていく。
可愛い女の子写真を載せたアカウントだが、Webカメラやマイクが故障しているとかで文字のみのやり取りをしてくる。何回かやり取りするうち、突然送信される動画。この動画にはアカウントの写真の女の子がボコボコされた挙げ句、頭を銃でブチ抜かれる動画であった。
↑ハメ撮り動画も見事友人に配信されるのであった
ビビるベズ。そして始まるネットストーキング。ハッキングされるアカウント、消える彼氏や友達、ネットに勝手にアップロードされる自分のプライベート画像。
連絡が途絶えた友人宅へ行ってみるとそこには、血の風呂に浮かぶ友人の姿が・・。そして魔の手は彼女自身にもおよび・・
これが延々とMacのデスクトップまたはiPhoneの画面で展開される。アップル信者失禁ものの映画である。
みんなで愉しくスナッフ動画
ベスは、ストーキングされ、彼氏も誘拐、友人は惨殺と酷い目合うわけだが、どう見ても犯人は単独では無いことがすぐ解る。複数人が同時に別の場所に出現しないと、実現不可能な事象が次々と示され、「こりゃあいよいよ、”ネットオバケ”的な展開なのか?と思いきや・・
なんと、組織的なスナッフ動画製作集団の仕業なのでした。
おお、憐れ憐れ、ベスさんは、自分の大好きなネット上の見世物として取り込まれ、帰ってこれなってしまうのです。
残酷な描写はさほど強烈ではないが及第点。ポイントは、ずーーーーっとMacの画面上で展開されるところ。これが意外と悪くない。劇場で観るには不向きだが、Macユーザが自分のデスクトップ上で鑑賞すると異様な現実感が襲うのだ。この感覚は観てみないと味わえないが、体験としてはかなり愉しい。
このデスクトップ映画は、「V/H/Sシンドローム」のエピソード「The Sick Thing That Happened to Emily When She Was Younger」で同様の手法だったが、本作はそれを押ししすめ寄り汎用的な表現へと高めたものと言えるだろう。
ラスト1分だけ、通常の映画のようになるのですが、その際のギャップも中々良いです。
まぁ僕も、暇な時はTwitterに張り付いていたりするわけで、色々と思うところもありますが、なかなか楽しめました。
本作のランダムチャットについては、監督自身が老舗ランダムチャットサイトchatrouletteで体験したことが元となってるとのこと。さらにフェイクスナッフ動画も大いに参考にしたらしい。(つまり既視感ありありということなのだが・・)
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