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「ホーンズ 容疑者と告白の角」のカットされたシーンについてのお話です。

アジャ作品の特徴

スティーブン・キングの息子、ジョー・ヒルが原作の小説をアレクサンドル・アジャが映像化。恋人殺害容疑のかかった男が“人に本音を告白させてしまう能力”を使って真犯人を捜すという奇妙なプロットや役者のダニエル・ラドクリフ、ジュノ・テンプルという配置が非常に魅力的な作品だ。
アジャというと、強烈な残酷描写で有名。だが、「ハイ・テンション」、「ヒルズ・ハブ・アイズ」「ミラーズ」、「ピラニア3D」どれも強烈な描写を含んだ映画だが単純なゴア描写が売りの映画ではない。基本がしっかりしている監督なので、彼の映画は実のところ残酷描写を抜き取ってしまってもソコソコ楽しめるよう作られている。
あくまで残酷描写は付加的なもの。ただし、その効果が絶大なのだ。
ハイ・テンションの首チョンパがなかったら?ミラーズにアゴ引き裂きがなかったら?既に作品を見て、知っているから「物足りない」と思うでしょう?そらそうよ。
じゃぁ、最初から無かったモノにされたらどうなのでしょう?

「ホーンズ 容疑者と告白の角」はここをカットしています。

日本公開版は時間が無くて未見なのですが、鑑賞した方の話をまとめるとカットがあるようでした。公式にはカットおよび修正の告知が無いため、なかなか悪質かなと思います。そんなわけで以下に解説しておきます。
クライマックスの一瞬のシーンなので、以降ネタバレ含みます。一応”犯人捜し”がメインの作品であるため、未見の方は読むのはここまでにしておいた方が良いかと。

クライマックス。恋人との思い出の場所でもあり殺害現場でもあるツリーハウスで
犯人であるリーに自首を迫る主人公イグ。そこにショットガンを手にした幼なじみの警官エリックとイグの兄、テリーが駆けつけもみ合いになります。そうこうするうち、リーがショットガンをエリックの顔面に向けてリーが発砲。エリックの顔面上半分が吹き飛び、リーが「ブーッ」とキチガイの顔で笑います。

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で?

いえね、無くても良いんですよ。無くても。ただ、件のシーンの直後、リーが笑うんです。「友達を殺して笑う犯人」と「友達の頭を吹き飛ばして笑う犯人」とではやはり後者のインパクトが強烈であろうと思います。
最初からなければ、別に違和感は無いかもしれません。しかし、シーンの存在を知っている僕からすれば、納得はいかない切り方です。

最近の傾向としては、直接人体破壊描写は問答無用でR18+と判断されているのでは?と思います。また食人行為等も厳しい判断がされているように見えます。(裏は取ってないので主観です)
じゃぁR18+にすりゃいいじゃん!という声もありますが、それですと公開館は極端に減り収入は見込めません。R15またはPG12ならR18よりは公開館を増やせますが修正が避けて通れない。このジレンマに陥って迷走しているが現状なんじゃないかなと。

何にせよ修正がある場合の告知は必要と思いますし、限定R18版公開やソフト発売がある場合もちゃんと周知すべきじゃないかと。誠意ある対応をしていけば客が付いてくるとは限りませんが、よっぽどマシになるんじゃないかなあ。

ちなみにバーの彼は下の毛が非常に薄いです。
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