同人誌 残酷ホラー映画批評「Filthy Vol.1」を作りました



このブログに載せたレビューや「TRASH-UP!!」の連載記事、Bootlegへ寄稿したコラム等をまとめた本を作りたいと以前から思っていたんだけど、やっと同人誌という形ですが作ることができました。
まとめ本といっても、ほとんどの記事を書き直しています。今回は初めてのまとめ本ということで、特にテーマは決めずに俺が自分で「面白いなあ」と思った記事を選んでいます。もちろん書き下ろしのレビューやコラムも掲載しました。
ツイートを観ている方は「ナマニク、暇そうなくせに相変わらずブログ更新サボってやがる」と思われていたかもしれませんが、コレ、作ってました。

以下目次

未公開ホラー映画レビュー
  独りは辛いことなのだろうか?『Decay』
  ローションゲロと黄金イクラのハーモニー『Bite』
  薄幸女、名声ほしさに悪魔のチンポをしゃぶる『Starry Eyes』
  エクストリームストーキングPOV『Hangman』
  アルツハイマーは悪魔憑き?『Taking Deborah Logan』
  最強自爆映画『I Didn’t Come Here To Die』
  のぞき見大家、大ハッスル『13 Cameras』
  田舎と都会のキチガイの背比べ『The Girl in The Photographs』
  これだから団塊の世代はダメなんだよ!『Trash Humpers』
  心の奥底に眠るどす黒い本性『Beneath』
  無間地獄へ落ちた人々のアンソロジー『Southbound』
  女をボコることをウリにした炎上狙い『Black Rock』
  俺は古き良きスラッシャーが大好きなんだよ!『Gram Gore』
  暗喩まみれのインモラルホラー『Here Comes The Devil』
  帰還兵が腐って、穴という穴から腐汁がジョボジョボ『Sella Turcia』
  作り込みがすごい!エンターテイメントゴアムービー
                 『Sawney:Flesh of Man』
  ロックスターが撮った変態社会派サスペンス『Strange Land』
  幽霊版要塞警察『Last Shift』・・・・・40
  殺クマ鬼がでてくるヘンテコクマ映画『Into The Grizzly Maze』

 コラム
  くたばれ!狂った改悪ブーム 残酷描写の規制事情
  他よりちょっと詳しいシリーズ1
   『陰獣の森 ふりむくな!忍び寄る殺人鬼の影』のお話
  Bootleg Basic 号 寄稿記事改訂版ゴアの飽食

試し読みのPDFもこちらに置いておきます。

購入方法ですが、現在は新宿のビデオマーケットさん中野のタコシェさんで販売しています。72ページで800円です。同人誌の相場から言うと少し高めかと思いますが、値段分は楽しんで貰えると思っています。よろしくお願いします!!!

Last Girl Standing | ラスト・ガール・スタンディング




ラストガールは体は生きていても、心が死んでいるのではないか?というお話

作品データ

2015年 アメリカ
監督: Benjamin R. Moody
出演: Akasha Villalobos, Danielle Evon Ploeger, Brian Villalobos
->imdb

レビュー

キャンプ中の若者を鹿マスクの殺人鬼が襲い血祭りに上げるという、恐ろしい大量殺人事件が発生。唯一、災厄を逃れ生き延びたカムリンは、事件から5年経過した今でも平穏な日常を取り戻そうと苦労していた。一人生き残ってしまった罪悪感やトラウマからくる幻覚や悪夢に苛まれているのだ。

なんかよくわかんないけど 冒頭からクライマックスです

 
彼女が務めるクリーニング店の店長や同僚はそれを知ってか知らずか彼女を色々と気遣うが、カムリンがそれに答えることは無い。そんな彼女に転機が訪れる。クリーニング点にちょっとイイ男、ニックが入社したのだ。彼は元気の無いカムリンを自宅のパーティに招待し、明るい友人達を紹介する。その中の一人、ダニエラと打ち解けたカムリン。親友とも言える存在の出現にカムリンの生活にも一筋の光が見えてくる。しかし、ある晩、鹿マスクの影を目撃する。鹿マスクの男はカムリン自身が葬ったはずなのだが・・・。
「鹿マスクの殺人鬼はまだ生きているのでは?」
見かねたダニエラは、カムリンを殺人鬼の墓場に連れ出す。彼女達は墓を掘り起こし死体を燃やすのだが・・・。

屍燃やして万事解決かと思いきや どこまでもついて行きます

 
御存知の通り、ラストガールとは、スラッシャー映画で唯一生き残る女性を指す。有名どころでは、ハロウィンのローリーや13日の金曜日のアリス、エルム街の悪夢のナンシーだ。本作は、そんなラストガールのその後を描いている。
一晩中、殺人鬼に追い回され友人達は全員残酷な方法で殺害されるという常軌を逸した経験をしたワケだから、そう簡単に普通の暮らしに戻れるわけが無い。日々、何かの影に怯え、友人達の死を思い罪悪感に駆られ、悪夢にうなされる。映画ではこの陰々滅々としたラストガール=カムリンの生活を淡々と描くことに大半を費やしている。正直、観るのが辛いぐらい暗い。ロボットのように出勤し、ドライクリーニングマシンを放心したまま眺め、退勤後は何かあった時のためにランニング、ぼーっとリモコンを手にチャンネルをザッピングしながらの就寝。そして悪夢で起こされる朝。そして新しい友人と共にやってくる殺人鬼の影。劇中、ほとんど笑顔を見せないカムリンが心から笑う時はあるのだろうか?
察しの良い方は、気がつくかと思いますが、オチはそう、あなたの思っているとおりです。
ちなみに、前述したローリー、アリス、ナンシーだが、その後の続編で全員死亡している。ああ世知辛い。

とにかく暗いです。
何回でも撃退してやりますとも!
ボコボコにされる殺人鬼さん

JeruZalem |エルサレム




スマートグラスで楽しむ、エルサレム観光地獄変。

作品データ

2015年 イスラエル
監督: Doron Paz, Yoav Paz
出演: Yael Grobglas, Yon Tumarkin, Danielle Jadelyn
->imdb

あらすじ

弟を亡くし、意気消沈しているサラ。そんな彼女を見かねたレイチェルは、イスラエル旅行を計画する。飛行機で出会った人類学者のケビン、現地の世話焼きなイケメン、オマーと共にエルサレムを満喫。
勢い余ってケビンと一夜を共にしたサラは、彼がエルサレムに来た目的が死人の復活現象の研究であること知る。だが「何か音が聞こえる」「息が苦しいと」訴えるケビンにサラはエルサレムを訪れた人が突如として情緒不安定に陥る現象、エルサレム・シンドロームになってしまったのでは?と疑うのだった。そして翌朝、ケビンが血相を変えて彼女の部屋へ飛び込んでくる。

「早くエルサレムを離れろ!大変なことが起こるぞ!!!」

完全にイッている顔つきで騒ぎ立てるケビン。見かねたオマーがエルサレム・シンドローム患者専用の隔離病院へと彼を連れて行ってしまう。
奇しくも今日は”贖罪の日”。ユダヤ人地区は殆ど機能していない状態だ。そこに謎の爆撃テロが発生する。ケビンの言っていることは正しかったのか?大混乱にエルサレム旧市街は、軍により隔離されてしまう。途方に暮れるレイチェルとサラ、そしてオマー。そして彼らの前には現れたのは巨人ネフィリムや翼を持った闇の天使達だった。

右がサラ、左がレイチェル(とってもユダヤな顔つきです)
ちなみにレイチェル役の女優さんは、パリ生まれのイスラエル育ち
足が臭いと馬鹿にされて苦笑するレイチェルとオマーさん
贖罪の日に向けて、サラに白い服を買ってあげようとするケビン
イスラエルのユダヤ人は、贖罪の日に真っ白な服を着なくてはならないのです。

レビュー

最近のPOV/FF(ファウンド・フッテージ)は、単なる一人称視点映像が垂れ流しとなり、その監視カメラや手持ちデジカムが醸し出す安易な臨場感に頼りすぎている。「エビデンス 第6地区」や「クロニクル」、「アフリクテッド」のように劇的な効果を上げる場合もあるが、多くの場合は見切れるモンスターや画面を覆い尽くすノイズ勝手に開閉するだけの戸棚等々退屈で素レスのたまる映像を見せられるだけの駄作・凡作が殆どだ。

さて、この「JeruZalem」はどうか?

浮かれ騒ぐわかものがを襲う突発的な人外による一方邸な破壊。こういいうと「クローバー・フィールド」を連想するかもしれない。しかし、悲しいことにそんなに予算のある映画では亡いので
スケールは小さい。巨人ネフィリムは一瞬しか登場せず、街が大規模に破壊されたりはしないし、派手な切株描写も亡い(ヘッドショットはあるよ!)視覚的に面白いのは闇の天使の背中から「ワッシャア!」と翼が生える描写のみ。この生えっぷりは見事。これは製作陣も気に入ったのか、レッドブルでもガブのみしたかのようにあワッサワッサと生える。正直言ってストーリーは凡庸そのもの。だが、本作には特別な点が2つある。
1つめは、エルサレムロケ。本作はイスラエル映画である。そのため現地のロケはあまり苦労がなかったのだろう、嘆きの壁や聖墳墓協会など名所が次々と登場し、まるで観光しているかのように楽しめる。21世紀に入ってからある程度情勢は安定していると聞いてはいるが、実際に多量の屍を積み上げたとしでの撮影と思うと何とも言いようのない気分になる。劇中で言及される”エルサレム・シンドローム”は実際に多くの旅行者が発症するようで、市街に多くの精神科があるのは本当だそうだ。 また、殆どがゲリラ撮影であったことも付け加えておく。

2つめは”スマートグラス”の使用。本作は、デジカムでも監視カメラでも亡く、主人公サラが身につけているスマートグラスを通しての映像となる。”スマートグラス?なんですかそれ?”という向きに簡単に説明すると、スマホの機能を載っけたメガネ。スマホの画面がメガネの内側に表示されると思ってくれれば良い。人を見れば顔認識が行われFacebookで勝手に検索してくれるし、道に迷えば地図が表示される。さらにズームアップや写真・動画撮影、YouTube鑑賞となんでも出来ちゃう夢のような小道具なのだ。
そんな小道具を主人公が四六時中装着しているというわけ。これで何が起きるかといいと、劇中、必要な情報だ補完されるようになる。スマートフォン持ちっぱなしで映画を観ているようなもんなのでかなり鬱陶しくもあるのだが、これまでに無い主人公との”知識レベル”での一体感が生まれる。さらには製作者が意図した解釈が出来るように観客を誘導することが可能なのだ。例えば、ある悪魔の顔が顔認識されたとして、それの顔の検索結果が・・・・・・とか。画面へ情報をひっきりなしにぶち込むというやり方は賛否あるだろうが、かなり印象深い。
この2点から”体験”という意味合いでは、JeruZalemは正しいPOV/FFと思える。現在、日本公開の噂はなく、配信でしか鑑賞できない。加えて贖罪の日や関連する儀式など若干ユダヤ教の知識がひつようとされるのも敷居が高いが、見てそんはない作品だ。

虫ゲロ 翼がワッシャア!
ムチャムシャ バッサバッサ
観光地ではWikipediaが表示 悪魔の顔も認識します
スマートグラスを落として 誤動作で表示される猫動画

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