映画|The Millenium Bug|モンスターズ・フォレスト


1000年も何してたんだよ・・・。

感想

僕の本職は、ITエンジニア(笑)なので、Millenium Bugというと俗に言う「Y2K」問題が頭に浮かぶ。ご存じの通り、西暦下二桁を何らかの判断材料にしているシステムにおいて、00という数字が1900年にと判断されたり云々とかそういうヤツ。さらにどこかのアホ共がその影響で飛行機が墜落するだのなんだの、いやいやもっとすごい災害が起きるとか流布して、結構な騒ぎになっていたような気がします。それはさておき本作。本作は、BugはBugでも1000年単位で活動する「でかい昆虫」のお話。もう13年も経過してのダジャレに想到するどういうわけよ?と思うが、まぁそこは気にしないでください。
そんなこのプロット、いつも通りのテンプレストーリー ー探検家やらキャンパーが山奥で謎の生き物に襲われるー といった物を連想させるが、さすがそんなシンプルな話ではなかった。

時代は少し前の1999年大晦日。メインとなるのは”山中でひっそりと暮らし、近親相姦を重ねた結果、奇形児しか生まれなくなり、新しい「血」を探している”キチガイ一家とその新しい「血」の標的となった前述のY2K問題から逃れるために山中に避難してきた父母娘の3人家族の恐怖の一夜である。

せっかく避難してきたのに酷い目にあうハスキン家 

ディナーの最中に出産をカマすキチガイ一家

キチガイに拉致監禁されて、てんやわんやしているところに「Millenium Bug」とそれを追いかける、(少し浮き世離れした)研究者が絡んで、さらに事態が悪化!生き残るのは誰だ?となるワケです。


ミニチュアを壊しまくる、ハエ面のMillenium Bugさん

モンスター映画とヒリビリーホラーの融合は珍しくはないが、本作のウリは特殊効果をすべて現物を利用するプラクティカル・エフェクトで行われているというところだ。
多少ロケも行っているだろうが、基本的にはスタジオ撮影で背景はマットペインティング。家はミニチュア、Bugは明らかに人が四つん這いになって入っている人形、人体破壊はゴム人形だ。90年代中頃まで見られた特殊効果が目白押しでかつ、漫画的ともいえる独特の味をもっており、非常に楽しい。CGを利用したリアル志向に偏った昨今のホラー映画と比べると「どうみても作り物」なのだが、全く重量感を感じないCGと比べると、重厚さを感じるのが不思議である。


マットペインティングの背景やミニチュア丸出しのキチガイ屋敷


僕はこういうあからさまなラテックス大好きですけどねー。

この試みは「NO CGI FILMs」としてドグマ95のような定義付けで布教していこうと企んでいるらしい。これは僕のようなカーペンター版「遊星からの物体X」を原体験してしまった年代には、ノスタルジーとともに最高の娯楽を与えてくれるに違いない。しかし、一歩間違えれば着ぐるみ怪獣やゴム人形による人体破壊描写は、制作者の意図しない部分で「お笑い」になってしまう可能性が大きい。そのあたり今後、どのように折り合いをつけて発展していくのかが楽しみだ。


んー。懐かしい・・・。

特殊効果の話ばかりになってしまったが、ストーリーも楽しい。ノリノリのキチガイ一家とどこかズレた天然一家の追いつ追われつ、そこに全く空気が読めない研究者が絡んで展開は韻律豊かで非常に愉快。モンスター映画定番の幕切れも爽快な佳作になっている。

監督はケネス・クラン。大学で映画を学んだ後、TV番組やお化け屋敷アトラクションなどのエンターテインメントプロジェクトを経て本作を制作。兄弟のジェームズはプロデューサーを務めている。二人は現在続編を制作中である。また、本作の特殊効果マンであるロバートリンゼイは元歯科技工士。

公式サイトは、http://www.mbugmovie.com/index.html
NO CGI FILMSのサイトは、http://nocgifilms.com/

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