Starry Eyes | スターリー・アイズ

Starry eyes

女優は全員腐ってるというお話

作品データ

2014年 アメリカ
監督:ケヴィン・ケルシュ、デニース・ウィドマイヤー
出演:アレックス・エスソー、マリア・オルセン、ノア・セガン

あらすじ

元気が売りの飲食店でアルバイトしているサラ。しかし、彼女の表情は暗い。元々、彼女は女優志望でハリウッドに出てきのだが、オーディションは軒並み落選。全く芽が出ないままくだらないバイトに時間を費やす日々に鬱々としているのだ。そんな先に見えない生活にストレスがたまり、自らの髪の毛をむしり取る悪癖がついていた。落ち込むサラを気遣ってルームメイトのトレイシーは自主製作映画グループを紹介する。監督兼脚本を担当するダニーだけは彼女に優しく接してくれるが、他のメンバーはどうも意地が悪く、なじめないサラ。
そんな中、彼女はホラー映画のオーディションに申し込む。風変わりなスタッフに気負いながら挑むも、結果は思わしくない。失意のあまりオーディション会場のトイレで髪の毛を毟っていると、スタッフから呼び出され「その髪の毛むしりを我々の目の前でやってみてくれ」と言われる。嫌々ながら髪の毛を毟るサラだが、夢中で毟るウチにトランス状態陥り、訳の分からぬまま合格。大喜びで2次審査に進むと、今度は意味も無く脱衣を強制させられる。全裸になりながら全身にフラッシュを浴び再び恍惚状態になるもやはり合格。調子に乗ったサラはアルバイトも辞めてしまう。そして最終面接はプロデューサー面接。ところが、そこで受けたセクハラまがいの行為についに逃げ出してしまう。そして泣く泣く帰宅するサラを迎えたのは、自主製作映画メンバの冷たい言葉だった。そんな中、トレイシーとダニーだけは優しく「そんなクソ面接するようなプロデューサの映画なんて!」と絆してくれるが、後が無いサラは再面接を申し込む。そしてプロデューサの「オマエは新しい人生の望むか?希望に満ちた人生を!ならば私に奉仕するのだ!」という言葉に従い、彼の股間に顔を埋めるのであった。
翌朝、サラが目覚めると体調が優れない。激しい腹痛、放心、抑えの効かない感情。そしてみるみるうちに彼女の体は腐り始める。全身を激痛が貫き、爪が剥がれ、吐血、下血、髪の毛が抜け、大量のウジゲロを吐き出す。「私死ぬ!死ぬ!!」とプロデューサに電話をかけるサラ。「ははは、オマエはもうすぐ生まれ変わるのだよ!」サラの身に一体何が起きているのだろうか?

レビュー

最近ではめっきりみなくなった“悪魔と契約する売れない女優”という古風なプロット。大抵は女優が悪魔との取引で名声を手に入れ、そして転落していくという筋立てだ。しかし、本作はちょっと風変わり。自信過剰だった小娘が自尊心を破壊され悪魔と契約。苦しみの果てに生まれ変わる過程のみを冷酷に描いている。
目を引くのはやはりクライマックスの「生まれ変わる過程」なのだが、そこに至るまでのサラの鬱々とした日常も手を抜かずに描かれている。
この細かな描写はサラという女の歪んだ性格を浮き彫りにし、クライマックスの生まれ変わりへと見事な繋がりをみせる。

サラのバイト先は、完全にフーターズ。やたらユニフォームがエロい。もちろんそんなお店なので店長も基本エロ目線。しかし、彼が意外と良いやつで、就業中も携帯を気にし続けるサラに「キミにとってオーディションが重要であるように、俺はこの店が大事なんだ。だからここに居る間だけは、仕事に集中してくれ」と真面目に説教をしたり、オーディションに通り調子に乗るサラに「キミは大勢のウチの1人に過ぎないんだよ。だからあまり浮かれちゃダメだ!」と諭したりする。しかし、オーディションが順調に進むサラは調子に乗って「私はオンリーワン!」と店長のアドバイスも聞かず暴走してしまうのだ。

自主映画製作グループはルームシェアして”テラスハウス”のように和気藹々としているのに、サラだけ浮いている。ジョーク混じりに辛辣な言葉を浴びせるような体育会系な環境にメンタルが弱いサラは溶け込むことができないのだ。しかし、意地悪な彼らもそれなりにサラを気遣っており、次第に調子を崩していくサラを本気で心配しているそぶりをみせる。

本当はみんないい人達なのに、サラは自分の野望とそれにそぐわない才能に折り合いを付けられず、彼らを心の中で見下すことで冷静を保っているのである。それは仲間が怪我をした時にひっそりとほくそ笑むサラの表情からも見て取れる。そして最後はこの歪んだ感情が暴走し、サラは身も心も腐り果て、悪魔化した彼女は次々と友人を手にかけていく。そもそも彼女が悪魔団体に狙われたのは、その歪んだ性格に目を付けられたのだ。そして、怪しいプロデューサーの目的は彼女を悪魔の器にすることだったのである。

自主製作グループの監督役を毎度お馴染みノア・セガンが演じている以外は、役者はほぼ無名。サラを演じるアレックス・エスソーのやたら貧乏くさい美人面は良い味を出している。彼女の表情が実に絶妙。必見だ。

ネタバレ&キャプチャスライド

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