Green Inferno | グリーン・インフェルノ

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やっぱり撮れば撮るほど、真面目な映画になるイーライ・ロス

作品データ

監督:イーライ・ロス
出演:ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レヴィ、アーロン・バーンズ

レビュー

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食人族のTシャツを着て楽しそうHOSTEL撮影に望んでいるスチール写真を見ればわかるとおり、イーライは「食人族」大好きっ子である。そんな彼が、意識バリ高の学生グループがアマゾン原住民&森林を保護しようと思ったら、ムシャムシャ喰われちゃうという夢のようなお話を撮るよ!という情報が流れたときは、それはそれは期待したもんである。そんな「グリーン・インフェルノ」の完成がアナウンスされたのは2013年。前回の監督作品「ホステル2」から6年の月日が流れていた。イーライがプロデューサー兼出演者に回り、ほぼ同じスタッフ・キャストで撮影し、「アフター・ショック」が好評を博し、そのままノリノリの状態で公開されると思っていた向きも多いだろう。しかし、待てど暮らせど公開される様子が無い。いい加減な投資屋に嫌われてしまったためだ。足かけ3年、”すわお蔵入りか?”と思われていたところに、飛び込んできたのが9/25全米公開。そしてそれに先がけて、”したコメ”での日本先行上映である。(南米では既に公開済みだそうだ)

というわけで、「わーい!やったーー!」と大喜びして観てきました。
11/25には、一般公開を控えているのであまり内容には触れませんが、楽しい映画です。楽しいんだけど、すっげぇ普通。常日頃から「イーライ・ロスってどんどん普通の映画を撮るようになってきてるよね?」と言ってきた俺だけど、キャビン・フィーバーからホステル、ホステル2と順番に観るとわかるとおり、段々仕事が熟れてきていることがわかる。何れもやたらゴアをウリにしつつも蓋を開けてみると、しっかりしたドラマ・パートに数カ所の猛烈ゴアシーンが盛り込まれているというもの。それは今回ももちろん同じ。
ゴアムービーというのは、どこかしら壊れているものだ。本作を語るには欠かせない「食人族」や「人喰族」もそうだった。モキュメンタリの体裁をとる「食人族」はさておき、「人喰族」を観るとわかるとおり、時間を追う後とに話も体もぶっ壊れまくる。ところが、「グリーン・インフェルノ」は壊れない。中盤に猛烈な切株シーンとやり過ぎと思われるほどのブラックジョークが矢継ぎ早に提示され、圧倒的ではるが、それを山場に後半は失速してしまう。やり過ぎた残酷描写は笑いになるが、笑いを狙っての残酷描写は冷めてしまうのだ。しかもイーライ・ロスの考える笑いは、非常に真面目で吉本新喜劇を観ているかのような既視感がある。下痢便を撒き散らそうが、場違いなオナニーシーンを入れようがインテリが気狂いのフリををしているにすぎない。ウンベルト・レンツィも気狂いではないが、ジャンル映画への愛が無いただの職人監督である。これはデオダートも同様だ。だから冷徹とも言えるほどのイタリアならではの極端で投げやりな描写を詰め込んだ作品を作ることができた。

しかしイーライ・ロスは映画監督である前にジャンル映画のファンなのだ。だか過去の先人たちのフォーマットから逸脱することができないのではないのだろうか?彼は、愛を捨てるべきだ。捨ててもっと壊れて良いはずだ。

あ、ちなみ主演のロレンツァさんは、イーライ・ロスの奥さんだけど、撮影時点ではまだ結婚はしていませんでした。

“Green Inferno | グリーン・インフェルノ” への2件の返信

  1. おひさしぶりです、なぜかHP復活してました、これ観たですけど、久々のイーライ・ロスなんで期待したけど結構普通でしたね。
    詳しくはまだ書けないけれど、もっと出来たんじゃないかっつー印象ですねー

  2. >ハニさん
    うわああああ!久しぶりですね!!!ほんと、もっと頑張れたとおもうんですけど
    ギリギリ”普通”の路線を狙ったのではないか?と今は思っています。

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