->imdb:The Last House on Dead End Street
人を不快にするために作った映画と言われているが、実は不快のベクトルが違う。
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Review

どういうわけか、最近「悪魔の調教師」と「悪魔の狂暴パニック」の3本セットでDVD化された本作。

ナルシストな兄ちゃんが、昔の仲間と連れだってスナッフビデオを撮る。そして逮捕される。ただそれだけのお話。'77年の作品にしてはゴア描写に気合いが入っているようにも見えるが、何か投げやりな感じがする不思議な印象。

H.G.ルイスから勢いを抜いて、芸術気取りを注入し不真面目で割ったような作品だ。
なんでそんな感じがするのか?それは以下のキャプチャを見ていただこう。

女の股間に動物の蹄をセット「どうだ!口蹄疫にしてやる!」とか言いながら
髭の兄ちゃんにしゃぶらせて、ほーれ角も着けたろか!?

よーし、土人メイクの奥様に一本鞭をくれてやるぜ!!

それを観て爆笑する、ガンギマリ女


俺かっこいいしょ?わるいっしょ?

うわーーー、うっぜぇぇぇぇぇ!!!
なんかこういうのうっぜえぇぇぇ!!!!

そういう感じのシーンが細切れで入りつつ、殺人シーンも細切れで入る。ねー。なんかもう、うっざいでしょー?
有名なオネーチャン解体シーンもなんだかフィルムの質感に騙された感ありありです。

でも、僕は嫌いじゃないんです。
両足切断されて気絶している所を、アンモニアで起こされた女が自分の足下をみて絶叫するのとか。


「GIALLO A VENEZIA」でも、同じようなシーンがあります。あちらは殺人者のミラーサングラスに被害者の姿が映っていたりと、色々気を遣っているのでデキは雲泥の差ですが・・・。

で、結局、何が不快なのか?っというと、
全体通してみても、まったく意味がわからないし、何だかよく解らないけど不気味だしイヤなんだけど
それ以上に「こういう映画を撮って、ドヤ顔していそうな制作者」に思いを馳せると
かなり不快な感じがするんじゃないかと。絶対、ドヤ顔してる。絶対。
撮ってる本人達は相当ハイテンションなんでしょうが、現物はそんなに盛り上がっているように見えない。
だけど、当事者達のテンションが伝わってくる。

昔から有名な一品だったのですが、何故今更国内版が出たのだろう・・。youtubeにも転がっているし、ニコ動でも見放題という状況。もうちょっと早めに出しておけば良かったと思うのだが。

国内版では山口雄大氏、井口昇氏のオーディオコメンタリーが特典で入っています。
コレがまた、本編以上にやる気がないというか、なんというか・・。
両名「こんなの二度と観ねぇよ!観たらDVD割って捨てとけ!」だの、主人公の気取ったショットに対して「バカ!」等々、むっちゃ貶しております。ここまで、ボッコボコに酷評するコメンタリーも珍しいっすよね。
僕は、正直、コメンタリの方が面白かったです。(笑

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