->imdb:Rubber
殺人タイヤが大暴れ!!っという触れ込みだったような気がするが・・・・
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Review

冒頭、警官とおぼしき男が、映画についての持論を炸裂させる。この映画のレビューには欠かせない件だ。

「あらゆる名作は、まったく存在意義がない!だから、本作はそれをリスペクトするのだ!」

突然の「俺様の映画には、これで文句のつけようがないだろ?えぇ?」っという保険宣言に唖然となる。この反則のオープニングで、本作が予想以上にくだらないものであることを確信するも、本編に入るとあまりのシュールさに完全に一本撮(取)られた感で開いた口が塞がらない。

荒野に捨てられたタイヤ。彼がヨチヨチ歩きというイメージで立ち上がるところから本編スタート。
 
↑タイヤ君と、そのイメージ


↑その場面を眺めるギャラリーの皆さん。ギャラリーの皆さんは飯も喰わずにタイヤ観察に夢中。

 
ギャラリーの見守る中、空き缶やペットボトルとの出会いとともに、成長していくタイヤ君。タイヤ君は人生最初の壁であるビール瓶と巡り会うが、突然目覚めたサイキックによって粉砕。大勝利を収める。

 
↑可愛いウサちゃんも粉砕だ!!!お友達になれたかもしれないのに!!!

そしてタイヤ君は、道中で見かけたお姉さんに一目惚れ。彼女を追っかけ回すのだが・・・。
 
↑「きゃー!タイヤさんのえっち!!」

タイヤがゴロゴロと転がっているだけのシーンが殆どを占め、まさにシュールという言葉がふさわしい場面の数々。冒頭の宣言の通り、まったく意味を成さないフラフラの千鳥足ストーリーは、強烈な脱力感におそわれること間違いない!

 
 
↑タイヤ君は、そのピュアさ故、片っ端から出会う生き物を粉砕していく

殺人タイヤという売り文句から、往年の迷作「アタック・オブ・ザ・????」(????はキラートマトやらジャイアントウーマンやらジャアントケーキ等、好きなものいれてね!)のような作品を連想するが、そんな映画ではない。騙されたと思って「ベイブ」とか「3匹荒野を行く」とか「皇帝ペンギン」なんかをを観るつもりでみてほしい。力尽きて倒れるように眠りにつくタイヤ君、気怠く朝のシャワーを浴びるタイヤ君、ご機嫌にカーレース番組を観るタイヤ君、そんな愛らしいタイヤ君をみるにつけ、その辺に捨てられたタイヤすら愛おしく感じるようになるだろう。タイヤの不法投棄は止めよう!!!

 
 

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