Cassadaga (2011)Director: Anthony DiBlasi Country: USA
Review
妹を失い失意の聾唖者リリーさんは、スピリチュアルコミュニティでおなじみのフロリダ州カサダガを訪れる。
早速、地元の霊能力者を交えた降霊術で妹の例との接触を試みるが、そこで降りてきたのは
妹の例ではなく、オカマのド変態猟奇殺人鬼にバラバラにされ殺された女の霊だった!
そんなわけでリリーは、女の霊につきまとわれ、半ば強制的に猟奇殺人鬼を追うハメになるだが・・・。
女装して操り人形遊びに熱中する男の子(オカマのド変態猟奇殺人鬼の少年時代)が、母親にこっぴどく叱られ、思い余ってチンコをハサミで切り落とすという衝撃シーンから始まり、狂った展開を期待させるのだが、中身は2時間ドラマようにアンニュイなものであった。
リリーさんの滞在先でのちょっとしたロマンスや、あからさまに怪しいオッサン、何かを知ってそうなオバチャン、霊が見せるフラッシュバックをつなぎ合わせ犯人を捜す等々のクリシェの塊。良い意味で手堅く、悪い意味で凡庸なストーリー。
さらにリリーさんは、聾唖なんだけど、これが聾唖がハンデとは思えない演出なんだ。
易々と唇を読み、流暢に英語を話す。背後から近づいてくる犯人に気がつかないとか、重要な電話に気がつかないとかそういうベタなシーンはあるのですが、聾唖者にする意味があまり感じられないだよね。
霊の声だけは直接聞こえるという設定はあるんだけど、もう少し上手に設定を生かせなかったのか・・。
こんな感じで話はさほど面白くないんですが、ビジュアルは結構楽しい。
ジャケットにもなっているけど、人間操り人形はなかなか良かった。ただ手足の甲に杭をブチ込むだけではなく、やたら旋盤好きな変態さんは拉致した女の関節をぶった切って、金具で再連結という素敵な一手間をかけて人形化するんだよ。でも、ジャケットにあるようなエロい感じではないのが残念。まあ、昔の東宝東和っぽくて僕は嫌いじゃないですけど。
↑件のジャケット
また、リリーを連続殺人の捜査へと導く霊のタチの悪さがすごい。遅々として捜査の進展を見せないリリーさんにしびれを切らせて、ウジ入り血反吐を吐かせたり、腐った牛乳を飲ませたりとなかなかのねちっこさ。「お前、そういうことできるんだったら、犯人にやれよな!」と思うけど、そこはツッコミを入れてはいけないんだろうねぇ。
ところで、カサダガって、実際、スピリチュアルで町おこし的な事をしている所だそうな。恐山的な場所なんでしょうかねぇ?中でも霊が取り憑くかもしれないというカサダガホテルは、子供は霊障を受ける可能性があるため21歳未満宿泊禁止だそうだ。
うわぁ・・・胡散臭い・・。