->imdb:The Dead
逃 げ 場 無 し
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Review

既に生ける屍の存在が当たり前となっている世界での墜落事故の生き残りの白人のオッチャンと息子を捜す黒人兵士のロードムービー。

アフリカ沿岸に軍用飛行機が墜落する。フライトエンジニアのMurphyは命からがら浜辺にたどり着くが、アフリカも歩く死に覆い尽くされていた。
  
↑助かった!と思ってもそこには、生ける屍がワッサワッサと!

水も食料もない上、身を守る弾薬の数少ない状況に途方に暮れるMurphy。しかし、壊滅した村を訪れた際、捜す黒人兵士Danielと合流する。
Danielは、どこかに保護されているという息子を探しているという。

   
↑むさい男2人が必死にベースキャンプを目指す

  
↑ゾンビの造形はベタだが、クオリティは良い。

彼ら二人は言葉少ないながらも助け合いながら、 Murphyは家族の元へ帰るため、Danielは息子に会うために2人の旅は延々と続くのだ・・・。

まさにロードムービー。しかも、ほとんど何も起こらない!

取り立てて悪い人間も出てこなければ、良い人間も出てこない。どれだけ何も起こらないか?というと、道中、2人は自警団に守られた村に立ち寄ります。例によって、自警団の皆様といざこざを期待するも”死人が歩く世界”に対する絶望を一晩話し合って「まぁ頑張れや」っと、笑顔で見送られてしまうのだ。

 
↑ちょっと何かありそうな雰囲気、しかし、この様に満面の笑みでお見送り。

ボロボロのプジョートラックに乗った男二人が淡々と旅をしていくだけの映画。ただし、立ち止まれない。止まると、連中がどこからともなくやってくる。
止まれば喰われる。何がなんでも先に進まなくてはならない。逃げても逃げてもユラリユラリとやってくる。このくどさ、凄くいいです。絶望します。何回も何回も一息入れるたびに忍びよってきて、安らぐ暇がない。いつもの”人間が一番怖い”というアレではない。「立ち止まると喰われるから行くしかない」という部分のみに着目した奇妙な映画。

  
↑どこに行ってもユラーリ、ユラーリと・・・
 (人種上、夜に紛れられるとやっかいだ!気をつけろ!!)

  
↑基本的に撲殺と刺殺なので、切株も切株と並んで転がってます。

  
↑ちょっと良いシーン。

 
↑噛まれた女に始末を依頼される/フェンスとゾンビに囲まれたベースキャンプ
 (懐かしい風景ですな)

少し退屈だが、ここまで淡々とやられると、Murphyと共に絶望の旅にでている気分にさせてくれる。とにかく落ち着きない不安で絶望的な状況は良く伝わってくる。良作。


「もうやだ、こんな世界・・・」

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