Rites of Spring(2011) Director: Padraig Reynolds Country: USA,South Africa

Review

「1984年以降春になると若者が姿を消す」というミシシッピー州の某所。ミス・ミシシッピ(そんなもんいるのか)が行方不明になってから、それは突然止まったという。ところが・・・。

本作は、謎のオッサンに誘拐されたレイチェルとアリッサ。そしてお金持ちのヘイデン一家の子を誘拐し身代金をふんだくろうとする、誘拐犯4人(ポール、ベンとトミー兄弟、ベンの彼女のエイミー)のストーリーが交互に描かれる。

  • それぞれの話が全く関係なく進んでいく

双方関係ないように進むストーリーなのだが、レイチェルが謎のオッサンから見事逃げおおせたと思ったところにナタとオノを混ぜ合わせたようなカッコイイ凶器片手に殺人鬼”ワームフェイス”が床下から出現、そして誘拐犯一派ではヘイデン家とひっそり繋がっていた仲間の裏切り、それまで破綻無く描かれいたそれぞれのストーリーが一気に崩壊し、それが一つにまとまって集約していくという展開だ。

  • いきなり登場するワームフェイス。

前半部については、後半の”ワームフェイス”がデウス・エクス・マキナのごとく、破綻してしまった物語の登場人物を片っ端から処分していく様を描きたいが為のただの前振りと思われるが、監督のPadraig Reynoldsは、そんなただの前振りでも手を抜いてはない。こういった殺人鬼映画にありがちな”事が起こるまでのダラダラ感”は一切皆無。平行に描かれるそれぞれのストーリーはサスペンス映画、犯罪映画としてそれぞれ十分に楽しめるよう作られている。カメラワークや演出が非常にいいんですよ、突っ走ってる感じがする。TVシリーズ「24」以降によく見かけるバタバタと落ち着きの無いものではなく、自然な撮り方だ。こればっかりはキャプチャで伝わらないので見てもらうしかない。

  • それぞれのシーンの抜き方も良い。

後半は前述の通り、”ワームフェイス”が誘拐犯+レイチェルを追いかけ回して血祭りに上げるというオーソドックスな展開になるが、最近のスラッシャームービーと比べると血や切株は控えめ。”ワームフェイス”の風貌やその凶器から”Sweat Shop”の様な豪快なゴアシーンを期待してしまうが、意外と地味である(地味と言っても、首や腕がポンポン飛びますけど)。おそらくサスペンスフルな演出を優先した結果、展開をもたつかせるくどいゴア描写を控えめにしたのではないかと思われる。

  • 目を惹くようなゴア描写はありませんが、演出上効果的なものです。

また”ワームフェイス”さんについてだけど、冒頭の若者失踪事件の元凶ではることは間違いないのだが、一体、若者誘拐して何をしていたのか?ミス・ミシシッピを誘拐したら何故誘拐をやめたのか?等は、はっきりとは描かれません。間違いなく人間ではないし、顔が腐っていて強面なので、その辺もストーリーに入れてくれればもっと良かったのに。

  • 殺人鬼としての魅力はイマイチだが、迫力はある。

日本全国公開は難しいかも知れないが、単館での上映は十分期待できる内容だと思いマス。単純な南部田舎ッペスラッシャーだと思ってかかると、ビックリします。

  • 宣材ポスターが例によって70s風で、いい加減食傷気味。これはもうちょっとなんとかならんのか。

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