イジメっ子を勢い余ってチェーンソーで解体。ゴミ袋に詰め裏庭に埋めたは良いが・・・?

作品データ

Prank / 2013年 米 / 監督・脚本 ユウィグ・ラム / 出演 ニック・レナード、ヘンリ・モンフリー、ハンナ・カスルカ

レビュー

ジョーダンとコナーは、パッとしない高校生。退屈しのぎにスタートレックをネタに自主映画を撮ろうとビデオカメラを購入。ジョーダンは恋人のイヴへのサプライズビデオを撮ったり、便利にカメラを活用していたのだが、コナーが校内のイジメっ子、ダックスとオマーにボコられ鼻を折られてしまう。そこで2人は「復讐だ!」と、カメラ片手にダックスの家をTP攻撃!ついでに庭から室内を出歯亀ってみたらば、なんと!ダックスとオマーが乳繰りあっているではないか!彼らはゲイだったのだ!爆笑しながら逃亡するジョーダンとコナー。

   
↑TP攻撃とは、庭先をトイレットペーパー塗れにする恐ろしい攻撃なのだ!

さっそく先の乳繰り動画をネットにアップする2人。しかし、あっさりと撮影したことがバレてしまい、ジョーダンの家までダックスが押しかけてくる。暴れるダックスを椅子でブン殴り昏倒させるコナー。派手にやってしまい、後に引けなくなった2人はダックスを地下室に監禁。長年虐められてきたコナーは怒りを爆発させ、ダックスをボコボコにぶん殴り、銃まで持ち出し、ロシアンルーレットでダックスが失禁するまでイジメ抜く。ノリノリのコナーが目を離した隙に、なぜかジョーダンがダックスを射殺してしまう。

   
↑殺ってもうた!しかし、これを境に・・・。

「いや、お前、殺すことないじゃん!」コナーはドン引き。しかし、ジョーダンは何かが「キレて」しまったのかチェーンソーで死体を解体し始める。「こうなったら、トコトンやってやんよ!」っと、オマーのみならずイヴまでも手にかけていくジョーダン。死体の始末に手を貸してしまったためコナーは通報することもできずに、ジョーダンの暴走をただ見守るしかなった。気がつけばジョーダンの家には死体が詰め込まれたゴミ袋がそこかしこに転がる。「なんなんだこの死体袋は・・」混乱するコナーの目の前に現れたのは、死んでバラバラにされたはずのダックスやオマーだった・・・。

   
↑お前、死んだろうが!

ちょっとヒネりの効いた、イジメリベンジPOV。「またPOVかよ!」はい、そうです。「クロニクル」の登場以降、やたらとカメラ映像であればいいんだろう?と言わんばかりに監視カメラや車載カメラと視点を切り替えまくるような演出は無く、本作は1台のカメラが事の一部始終を撮られた手堅いテンプレPOV。とはいっても、カメラを意識するような場面は殆ど無く、場面展開の無理が多少利くよう、便宜上の設定という趣。

   

POVの利用もそうだが、脚本上の展開も手堅い。当初、復讐に積極的だったコナーが殺人を切っ掛けに、意気消沈し逆に、消極的であったジョーダンが大暴走Go Crazyしてしまうベタだが解りやすいストーリー。しかも、その暴走の果てには提示される「イジメの復讐をしているつもりが、実はやっぱりイジメられていた」という、画に描いたようなツイストが楽しい。実はもう一ヒネリあるんですけね・・・。

   
↑ジョーダン、イヴ、コナー。ウンコ便器に沈むコナー

役者は経歴が浅く、他の出演作は殆ど無い。監督のユウィグ・ラムはABCテレビの新人監督養成所の出身だが、長編は本作が初めてとなる。とにかく手堅い印象がある本作を観ると、彼はホラーよりは普通のドラマを撮ったほうが合うのかもしれない。。ゴア描写も殆ど無く、基本的に大量の血糊とゴミ袋、チェーンソーのみが登場する雰囲気ゴアが中心。ただし、前述のとおりドラマが面白く撮られているため、描写の地味さを差し置いても十分に楽しめるサスペンス映画となっている。

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