Cap00048

炭鉱が崩落し地下600フィートに閉じ込められた炭鉱員たち。救助を待つ彼らは、その永遠とも思える時間の中で狂気に触れる。

作品データ

2013 アメリカ
監督:
出演:ジェフ·フェイヒー、ケリー·ヌーナン、ブレント·ブリスコー、クルト·カセレス

あらすじ

引退を控えたジョージ・マーシュは凄腕炭鉱員。引退最後の勤務日に娘サマンサが「私を炭鉱につれていけ!」と頼み込む。「炭鉱は女の行く所じゃねぇよ!」「違う仲間と潜るのは縁起が悪い!」等と言い、彼女を鬱陶ししがる炭鉱仲間の意見を押し切って地下に潜る2人。しかし、採掘機が洞穴を掘り当てたため、炭鉱のバランスが崩れ崩壊してしまう。運良く生き残った炭鉱員は6人。避難カプセルに閉じこもり救助を待つ彼らであったが、が坑内に助けを求める声が響き渡る。「おかしい・・。全員、生死の確認をしたはずなのに・・・」。救助カプセルに接続された酸素タンクが持ちさられ、"自分達以外の誰か"の存在を確信するが・・・。

レビュー

このタイトル、何回目だよ?って話ですけど、今回は本当に下(Beneath)の話。
「サンクタム」や「ディセント」に代表される地中深く閉じ込められ、外に出られない!というシチューエーション映画。何かにつけて化け物やキチガイを出してくる最近の流行とは一風変わった筋立てで、殺人鬼も化け物もキチガイも登場せず、閉鎖空間のストレスと酸欠で前後不覚におちいった炭鉱員同士がぶっ殺し合うというもの。これがなかなかデキが良い。狂気に陥る表現を明確にせず、サマンサの視点でのみ"狂った"ことが分かるように表現される。サマンサは、狂気に陥った人間を「白目を剥き歪んだ顔」として認識するのだ。しかし、これはサマンサが"そう思っているだけ"で実は"サマンサが狂っている"のかもしれないことを示唆している。
酸素ボンベを求め彷徨う炭鉱員たちは、父親も含め無残な最期を遂げるが、直接の殺害シーンが"サマンサが自衛のために殺す"以外は描かれない、それにより"だれが狂っているのか?”という疑問がよりミステリアスなものになり非常に奇妙な後味を残す。炭鉱無いの窒息しそうな雰囲気が良く伝わる低予算とは思えない緻密なセットや、採掘機に巻き込まれり、生皮剥いで食ったりなどゴア表現もエグくて大変良い。監督のベン・ケタイは、「30デイズ・ナイト」のTVシリーズを手がけ、DVDスルー作品された「30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ」で長編デビュー。本作でようやくオリジナル作品を手がけた。「30デイズ・・」で培った暗闇の表現やゴア描写が本作で十分に生かされおり、劇場鑑賞に十分堪えうる内容だが、本国では幾つかのフェスで上映されるも一般公開はされず、相変わらずDVDスルー。次こそは劇場公開を狙って、面白い作品を出してくるのでは?っと期待している。

キャプチャスライド

クリックで変わります。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事