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情念のSF
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Review

レベッカちゃんとトーマス君は幼なじみ。とっても仲良しだったけど、レベッカちゃんは家の都合で日本に移住してしまいます。

11年後、レベッカちゃんは故郷に戻ってきます。さっそくトーマス君を訪ねるレベッカちゃん。ところが、トーマス君は別の女性と同棲中。
ガッカリするレベッカちゃんでしたが、トーマス君も幼い日の思い出から熱くなってしまい、速攻でレベッカちゃんの乗り換えます。
 
 

そんなわけで幸せなレベッカちゃん。しかし、幸せは長く続きませんでした。トーマス君は交通事故で死んでしまったのです。

 

トーマス君の死を乗り切れないレベッカちゃん。トーマス君のDNAを使って、”トーマス君を産みなおして、育てる”ということを思いつきます。
そんなわけで、レベッカちゃんはトーマス君のDNAを使って、トーマスクローンを(帝王切開で)出産します。

 

当然、クローンであることを教えられることなく育てられるクローントーマス君(実は周りはそれとなく気がついており、子供時代には苦労させられます)
時が経ち、青年になったトーマス君は彼女ができるのですが、レベッカちゃんはそれに嫉妬するようになります。

 

ベッドに隠れてトーマスクローンと恋人のセックスを覗き見たり、次第に異常行動が目立つようになるレベッカちゃん。
そして、トーマス君(not クローントーマス)の母親が訪ねてきたことをキッカケに、トーマスクローンは遂に自分がクローンであることに気がついてしまいます。

 
 

レベッカのPCに記録された自分ではない自分の思い出を観るクローントーマス。自分は、母親の恋人として造られたクローンなのか・・?

「どうしてこんなことをしたんだ、母さん!僕は誰? 母さん、貴方は誰?」

 

クローントーマスは、母親であるレベッカに迫ります。そして、母親兼恋人であるレベッカを出した答えは・・・。

寒々とした北ドイツの寒村を舞台に淡々と語られる、狂った情念。
吹きさらしの浜辺は独特の風景で、特に幼少時代の場面は非常に綺麗。しかし、その綺麗な風景がトーマス君を失ってからは、レベッカの満たされない心そのままの風景になります。
(この映画、サンダンスでは結構高評価だったらしいですけど、いかにもサンダンス受けしそうですねぇ。)

 
 

レベッカとトーマスの幼年時代、レベッカとクローントーマスの子供時代は舞台となる村の風景も綺麗で、恋人を失ってしまった女の悲しい子育てみたいな感じでにこやかに観ていられるんすね。でも、クローントーマスが大人になってからは、眉間に皺寄せっぱなしです。彼女と一緒に朝を迎えたベッドルームに母ちゃんが朝メシ持ってきて、「楽しんでね!」とかそういうシーンばっかりですからね。
 

これ上手いなぁって思ったのは、性的なシーンの扱い。前半は殆どそういう肉肉としたシーンが一切無いんですよ。レベッカとトーマスが懇ろになるであろうシーンも指と指を絡ませるだけとか(余計いやらしいですけど・・いや、本当にやってないのかも知れない。)。それでいてトーマスの同棲相手が肉感的(初登場時はスケチチ!)で世俗的なビッチっぽいのも、あざとい感じですが潔癖感を与えるのに効果的です。そんなわけで、エロが何か良くないモノという印象を与えたいるため、後半いきなり登場するセックスシーンも非常にサラッとしたものなのですが、パンチ力が増大するんですねー。そもそも、そのシーンに至る過程が歪みきっているのが一番効いているですけどね。

 
 

レベッカを演じるエヴァ・グリーン。この人、メチャクチャ上手い。無言での演技がとても多い作品ですが、とにかく表情がよかったですよ。はい。
日本では完全にスルーされているのが残念の一品。

レベッカちゃんとクローントーマス君が出した答えは、読める展開なんですけど、いざ答えを提示されると気持ち悪いんだか悲しいんだか怖いんだか。
とにかく僕はこんな世界、全力で否定したいです。

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