チェルノブイリ原発事故で住民全員が待避した町、PRIPYATに不法侵入したアホな観光客に襲いかかる
熊!野犬!魚!奇形人間!そして濃い口の放射線!!!!

Chernobyl Diaries(2012) Director:Bradley Parker Country: USA

あらすじ

  • 毎度おなじみの観覧車。

折角ウクライナに来たし、話の種にPRIPYAT観光をしよう!っと、ご機嫌なご一行。いかにもラッシャーな感じのマッチョ現地案内人と共に町の入り口検問まできたものの「今日は街のメンテナンス日(清掃?)なので、立ち入り禁止!」っと止められてしまう。
「無人の街で閉鎖地区なのになんでメンテしてんだよ?」っと一行に突っ込みされ煽られたマッチョ案内人は「いやいや、別に検問通らなくても入れるし!」っと、迂回路を使い不法侵入。有名なPRIPYAT Ferries Wheelをみたり、何故か野生の熊に襲われるサプライズもあり一行は、大喜び!「堪能したし、さぁ帰んべ!!」っと思ったら車壊れちゃいました!!ほらねー、やっぱりねー!!!
「どーすんだよ!、汚染地区だし早く帰らないとやべぇじゃん!」っと、悶着を起こしているウチに、日が暮れてしまい、車の中で野宿をすることに。

  • 放射能っていうと、なぜズルムケ系なのか・・・。

そして無人の町に謎の物音が響き渡る。止めれば良いのに様子を見に出てみると野犬の襲撃!観光客1人は噛まれて重傷、案内人は食い殺されてしまう。一行は車の中に立てこもり恐怖の一夜を明かす。翌日、当てもなく車の修理部品を探すが、道を行けば野犬が襲いかかり、横道にそれればガイガーカウンターが悲鳴を上げ、池には凶暴な魚と、まさにドン詰まり状態。
ようやく車の修理の目処が立つが、彼らを異様な人影が取り囲むのだった。

感想

とにかく黒い映画。残酷描写もかっこいいクリーチャーも出てこないのだが、時期的なものも手伝って、その内容の黒さたるや漆黒の闇である。
のっけから奇形の魚が登場し「あぁ、これはちょっと今の日本で公開するのは厳しい内容だなぁ」っと思っているウチに、ツルッパゲの奇形人間が大量に襲いかかってきて、どう見ても、日本公開は無理です、本当にありがとうございました。ってな具合だ。

  • この奇形っぷりは、完全アウト。

さらなる公開不可能の理由としては、冒頭の「メンテナンス」の原因は、チェルノブイリ事故の放射線による影響により、奇形・凶暴化した人間を政府が秘密裏に研究材料にしており、彼らが脱走したためであるというベタだが致命的なネタが用意されている。

非常にベーシックなモンスターパニック映画。POVではなくノーマルな撮影手法を取っているのだが、時折、POVで培ってきた一人称視点が効果的。さらに"汚染"という障害がちょっと珍しい。ガイガーカウンターが悲鳴を上げても、その道を行こうと思えばいけるが、汚染は免れないという怖さ。今すぐ死ぬか、後々放射線の影響で死ぬかの2択。最終的には、汚染地域を放射線で顔を爛れさせ、失明しながらも逃げまくるという地獄のパニック映画。

  • ここまで来ちゃうと、吐き気と火傷でエラいことに。っていうか、致死量浴びてるんじゃねぇかと。

監督のブラッドリー・パーカーは、長くVFXマンとしてのキャリアを積んでいた人。ファイト・クラブやLet Me Inなんかにもクレジットされている。それゆえ、本作のVFXの芸の細かさもかなりのモノ、観るたび細かな効果に気づくことができる。良作である。
ちなみにエンディングに流れるのは、マリリン・マンソンの「No Reflection」。とことんブラックである。

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