1973年 アメリカ チェスター・フォックス、アレックス・スティーヴンス監督
70年代ニューヨークを舞台に、マッサージ・パーラー嬢(中途半端なソープ嬢みたいなの)連続殺人事件をベテラン刑事と若手刑事が追う!オチがびっくりなヘンテコクライムアクションホラー
なんだかウチらしくない映画が続いていますが、本作はちょっとだけ殺人シーンがHGLっぽくもあるし、僕の大好きな70年代ニューヨークの風景が楽しめる作品。かなり熱い!オススメです!

2人刑事の何とも言えない雰囲気が愉しい

 
まず、刑事二人組が破天荒・・ってうか大味すぎてメチャクチャ愉しい。怪しいデブを見かけるなり「お前怪しい!」と追いかけ回してボコボコに!さらに乱交パーティ(なぜか刑事自身も参加している)に乗り込んできた男をパンイチのまま追いかけ、パンイチのクセに民間人から車を強奪!派手なカーチェイスとともに追い詰める!(パンイチなのに!)マッサージパーラーでの張り込みも、紫のレオタードを着たデブが踊り狂い、嬢が手拍子するさまを観てヘラヘラ笑うなど、まったく犯人を捕まえる気が無く(本人達は至って真面目なのだが)何も考えていないのだ!。聞き込み中、一般人とマジギレの喧嘩を始めるのもアホらしくてよい。
 
↑なかなかハードボイルドな雰囲気を醸していますが、パンイチで路上にでます

 
↑派手なカーチェイス!路上販売に突っ込んで、お魚がワイパーに挟まるよ!

 
↑この客、ちょっと頭おかしくね?

 
↑「ドアホ!」「ミミズ野郎!」「知恵遅れ!」「虫けら!」っと、僕でも解りやすい単語で罵り合い!オッサンの顔も愉快。

加えて若手刑事の方は最初の犠牲者の友人(もちろんマッサージ嬢)を慰めに言ったら、そのまま彼女にしてしまうパワーを持ったイケメンリア充野郎なのだ。彼の彼女との乳繰り合いシーンが「一体何の映画を観ていんだ?」とゲシュタルト崩壊するほど長々と挿入されるほどの満喫ぶり。それと対照的なのがベテランのオッサン刑事。夫婦生活がイマイチでしょぼくれ感満載である(でも、オッサンの方の浮気相手は最初の犠牲者だったりする)

 
↑ずっとイチャイチャしている若手刑事、一方で物悲しい感じがするオッサン刑事

やたらとかっこいいよ!

音楽もイイ。70年代クライムサスペンスのそれで、非常にかっこいい。わかりやすく言うと「太陽に吠えろ」的な楽曲がバンバンながれる。もちろんムーディーな場面では、Rhodesの堅く優しい楽曲やボッサリズムのオシャレ音楽。雰囲気抜群。ニューヨークロケ(ほんとにNYか怪しいんだけど)も70年代〜80年代前半の薄汚れた感じがよく出ていて、バスケットケースやエクスターミネーターあたりを原風景としている僕には嬉し懐かしい。
 
↑かっこいいなぁ・・

さて、肝心の殺人シーンだが、唐突さがウリになっているようだ。描写はHGL作品から毒を抜いたようなもので、少し物足りない。しかし、ぶっきらぼうなメイクと演出は妙に味がある。またラストの犯人との対決シーンの演出がすごい!コマ送りスローなのだ!スローはスローでもコマ送り!これはドキモを抜かれる。このラストだけでも本作は必見。
 
 
↑こっちはあんまり期待しない方がいいです。死体も瞬きし放題!

さらに乳には事欠かないので、そちらの向きにもオススメだ。女の子はあんまり可愛くないけど・・・。

なんだこれ、セブンじゃねぇか!

まったく犯人を追い詰められないまま、残り10分。教会で7つの大罪の説教を聞いたオッサン刑事が思いつきで犯人をあっさり追い詰める。

ネタバレツイート1 ネタバレツイート2

ネタバレ読むとわかるんですけど、これセブンだよね。いや、ちょっと似てる程度だけどさ・・。セブンより遡ること20年前にこのオチですから、すごいですねぇ。

 
↑ラストシーンは秀逸です。おもしろいよ!

監督は2人の連名なんですけど、彼らこの作品だけなんですよね。他は何も撮っていない。IMDBによればアレックス・スティーヴンスは70年台〜80年代にかけて役者をやっていたようですが、詳細は良く解りません。(スキャナーズでは、"コンセック社のプログラマーその3"役とか完全モブキャラをやっているようですが、どうでもいいですね)。何も知らないで買ったんですけど、この映画、かなり有名なんですかねぇ・・?
とにかく素晴らしい旧作でした。絶対観た方が良いですよ!
 
 
 

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