->imdb:5150 elm’s way
男の子って夢中になると、とんでもないことやらかすよねー。
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Synopsis

やぁ、僕はYannick。今度、映画学校に行くんだ。だから、一人暮らしを始めた。
彼女もご機嫌さ!

そんなわけで、早速、学校の課題のために近所の風景を撮るためにサイクリングですよ!
ご機嫌で撮影していたら、町中で女の子のお菓子を横取ったくそガキを見かけた。

僕は、ほら、結構良いやつだからさ、くそガキからお菓子を取り返して
女の子に返してやったんだ。ほんと、俺、良いやつだよな。

そんな感じで気分良く遠出をしていたら、猫の野郎が突然目の前に飛び出てきた。
急ブレーキ! 俺は、チャリンコごと吹っ飛んでしまった。

ったく・・・。チャリンコはお釈迦。手は血塗れでさんざんだ!

あ、近所にタクシーが止まっている家がある!送ってもらえないかな・・・。

ついでに手も洗って・・・・って、アレ?人の良さそうなおじさんだったのに
この家、人を監禁している?え?え??

俺。監禁された。ただ、電話を貸してほしかっただけのに・・・。

しかもオッチャンの嫁と娘って、引ったくりから助けたオバチャンと女の子じゃん。
なんだよ・・・助けろよ・・・

・・上の娘もいるのか・・・っ!!!こっち凶暴すぎる。逃げようとしたら両足折られた。

こいつら、俺をどうするつもりなんだ?どうすれば家に帰してくれるんだ・・・。
はぁ???チェスに勝てば、自由にしてくれるって?

やったろーじゃん!!!でも・・オッチャン。。。チェスでは負け知らずに有名な男なんだよな・・・なんだかトロフィ一杯持ってたし。勝てるのか?俺・・。

俺は、オッチャンに勝つために努力した。黙々と定石の研究だ!
そんな中、オッチャンは、暴力娘と一緒になにやら人を殺して回っているようだ・・・。

死体を持ち帰るのをみた。どこかに運んでいるのか・・・。地下室か?

・・・そういえば、下の娘は自閉症か何かなのか?オバチャンもなんだか最近疲れてる。

監禁チェス生活数ヶ月目のある日、オバチャンは、下の娘が施設に入れられたこと、本当は男の子も産んだけど死んでしまったことを話してくれた。そして俺を逃がしてくれるとも言った。
でも俺は断った。もう遅い。俺はチェスの虜になった。
自由なんてどうでもいい。オッサンに勝ちたい。

絶望したオバチャンがクローゼットで首を括っても別に構いやしない!
俺はチェスであの男に勝つ!

上の娘も、俺と親父の暴走に嫉妬し、家を出て行ってしまった。

失うものが無くなったオッサンは、俺の強さを認め、俺を地下室の決戦場に連れて行く・・・。しかし、その地下室には・・・・。

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Review

意味もわからぬまま、監禁された男がチェスで勝てば自由にしてもらえると言われ
黙々とチェス対戦でサイコ親父に戦いを挑むという風代わりな一品。
ちょっと、今回は赤文字無しの真面目レビューで行きます。

大きく2つのシーンに分けて描かれる。
一つは監禁Yannickの心情の変化、もう一つはサイコ親父Jacques一家の崩壊。

Yannickは、最初、どうにか逃げようと画策するのですが、ことごとく失敗。そのたびに暴力娘Michelleにボッコボコにされる。しかし、チェス勝負が始まると、次第にチェスのウデをあげていくウチに「逃げる」なんてことはどうでもよくなり、ただ「勝負に勝つ」という事に病的なまでに取り憑かれていきます。

Jacquesはある目的のために、自らの目的達成のためにストイックな生活をしており、「チェスの白は正義・黒は悪」という信念のもと、暴力娘とともに、何かを行おうとしている。しかし、それを妻のMaudeは、殺人をも辞さない行為を黙認してはいるものの、認めてはいない。
危うい状態でバランスを保っていた家族だったが、Yannickのチェスの上達、そして、Maudeの拠り所であった、障害がある下の娘Anne(彼女もなかなかのくせ者)をJacquesが精神科施設に無理矢理預けてしまったことから、家庭の完全崩壊が始まる。

Jacquesの最終目的の「何か」が、「おぉお????わわわわわ!??」っとなるようなおぞましいモノ。この内容を言ってしまうと、さすがにやり過ぎ感がありますので、キャプも載せませんが、張りまくった伏線も一気に回収される上、今までありそうでなかったもので非常にインパクトがありました。

また、明確に言及されていませんが、主人公のYannickは何らかの霊的能力を持ち合わせており、希に監禁部屋が何かを象徴するような幻覚を見たりします。これもサイコ親父の「何か」に関わるのですが、この複線を素晴らしく上手にまとめ上げています。

さらに、チェスの勝負において、集中力が最高潮の高まったときの演出がちょっと面白い。YannickとJacquesだけの静寂の世界。投了間近で親父の顔から流れ出す敗北の液体。美しいです。

次第にチェスに取り憑かれていくヤニックの演技をはじめ、キャストの抑えの効いた好演が素晴らしく、この手のサスペンスにしては眺めの110分のランニングタイムなのですが、まったくダレることなく最後まで走り抜けることができる濃密な作品でした。男は特に顕著だと思うんだけど、夢中になると、それ以外のことがどうでも良くなってしまうという悲しい性を持っていたりします。Yannickも結局、映画なんかよりもチェスのが向いていたのか、非常に印象深い幕切れ。

これは、僕の2010年の5本指に入る勢いです。

カナダ産サスペンスは時折、非常に渋い良作を生み出す。
ちょっと冷たい風景が、良さを際立たせているのかもしれませんねぇ。
以前レビューした「The Dark Hours」なんて、すっごく面白いんですよ。

それなのに日本公開やDVDが出る気配はありません。本作も怪しいもんです。。

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