->imdb:La Horde
ロメロルールのゾンビが全力疾走するとこうなる
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Review

逃亡中のギャングがキチガイ殺人鬼に遭遇する、フレンチスラッシュムービー「フロンティア」にあった、

”悪人は結局悪人。日頃の行いが悪いやつは、酷い目にあうんですよ。”

という無常観がゾンビ映画にマッチした佳作。


街のギャングに同僚を殺された警官グループが、ギャング連中に復讐してやろうと、アジトとなっている高層ビルに殴り込みをかけたら、何故か同時にゾンビが発生する謎の現象が!!!

警官の皆様は、ギャングの皆様と乱闘を開始するのだが、撃ち殺したはずの男が突然蘇生。
敵味方構わず襲いかかってきたのだ!!

かくして、警官・ギャングの皆様は生きてビルから脱出できるのだろうか?

例によって、細かいことは気にしない毎度お馴染みの”どシンプル”ゾンビ映画。
キャプチャはフランス版DVDから。日本公開もしていることですし、ネタバレ無しでいきます。

肝心のゾンビさんですが、これは「28日後…」のレイジ感染者を想像していただければ良いです。というか、あのまんまです。リメイク「ドーン・オブ・ザ・デッド」のように、ゾンビエキストラにガチのアスリートを使っているわけではなく、例の

”実際は、あんまり速く動いていないんだけど、速く動いて見えちゃう撮影方法”

を多用して、誤魔化しのような感じに仕上げてあります。

あの写し方はいい加減、食傷気味なのですが、本作はとにかく量が多い。多すぎる。

これはある種の祭りですね。祭り。

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予告編でも観られる、”車の上で大量のゾンビを相手にする”という豪快なシーンは、もう

車が神輿に見えます。

「お前ら!俺を喰いたいかぁ???」
「わっしょい、わっしょい!人肉わっしょい!!」

このような疾走・大量・絶望という、非常に血湧き肉躍るシーンが延々と続く。
今まで疾走ゾンビに対しては、人間はほとんど無力でしたが、本作は、全員腕っ節が強い!
銃が無くても、大量のアスリートゾンビに対して肉弾戦を挑む勢いです。

まぁ、つまり、期待されている映像のみしか出てこない!
(特に一番左キャプ、柱に顔を叩き付けられてゾンビの顔が次第に変形していく様は必見だ!)

本当にこれは素晴らしいことなのですが、シナリオは ”いつも通りゾンビ映画” フォーマットを綺麗になぞっていく素直なものなので、途中から先読みできてしまうのが残念。
それはそれで、水戸黄門みたいで好きなんですけどね。何かゾンビ映画としてなんらかの新しいものを期待するとちょっと、肩すかしを食うかもしれません。
しかし、ロメロルール(噛まれるのはもちろん、その他、どのような死に方でも脳さえ無事なら、すべてゾンビ化)で発生するゾンビが全力疾走しはじめたら、絶対、勝ち目無いよなぁ・・。

あ。そうそう、僕、この映画で「ムチムチのねーちゃんが出てこない」という点、非常に気に入ってます。
最近のゾンビ映画は絶叫担当のムチムチネーチャンが出てくるちょっと軟派な作品(マンディさんが出てくるThe rageとか)が多いのですが、本作はガリガリの薄幸そうなネーチャンが、同僚にぶん殴られて顔面血だらけにしながら、半ベソで必死に逃げるという、素晴らしい一品です。

ムチムチもそれはそれで良いんだけど、ガリガリの女の人が悲壮な顔つきをしていると、絶望感が凄まじいですよ。ガリガリ、最高デス!

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