2012年 イギリス 監督ミスター・ディクソン
記憶を無くした赤い髪の毛の女が、シリアルキラーだらけの(予算の都合上5人)刑務所を右往左往するお話。

レビュー

「Shasher House」というタイトルが示す通り、殺人鬼が閉じ込められた刑務所が舞台。この刑務所を赤い髪の女がウロウロして次々と場当たり的に殺人鬼と対決していくという筋立てだ。
 
 

ビジュアルやプロットだけをみると、結構面白そうなんですけど、これが面白くないんだ。いやぁ、惜しいなぁ。本当惜しい。
赤い人がいきなり全裸でぶっ倒れているところから始まるのですが、ハート型の風船が胸と股間を隠していたりして、せっかくの全裸なのにもったいない!というか、まずどうにも自己満足的なビジュアルがちょっとカチンときます。
 

まぁ、こういうことはインディーズ作品には多々あることなのですが、それよりもとにかく話が進まない。これは致命的で、赤い女の子が意味深な顔して佇むだけの緑と赤のコントラストがキツい画延々と映し出され目がチカチカ。そして殺人鬼の登場とともにカットインされるキャラクター紹介的エピソードも、ポイントを欠いた中途半端でかかつ突然カットインされるものだから、内容も意味不明。要はテンポが悪い。下手に間延びさせずにテンポ良くサクサクとした展開にして低予算故の安っぽさを排除すれば良いのに、無理して引き延ばしすぎて冗長になってしまっています。
 
 
でも、ほんとビジュアルはいいんですよ、ハッタリが効いていて。。最初に登場するピエロ殺人鬼なんて、ベタですけどすっごくいい。殺人鬼達も先のキチガイピエロをはじめ、ピュア殺人マシーン、インテリ、多重人格等々キャラも立っているし、赤い女が正体もベタなものですが、好きな人は好きであろうと思われる内容。ほんと残念な作品。
 

赤い女演じるエレノア・ジェイムズ以外は無名の役者。エレノアさんは、低予算インディーズ映画の常連さん。僕が最近観た中ではSF/SM/ホラーミュージカル「Maximum Shame」というイカれた作品でボンデージファッションのままディストピア世界を歌い上げていました。こっちも非常に辛い内容で僕は途中で挫折しました。無茶なことやり過ぎてちょっと老け顔なのが悲しいところ。
 
↑これもちょっと面白そうなんですけど、(鑑賞難易度的な意味で)ハードな作品でした。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事