The Taking of Deborah Logan

痴呆症だとおもっていたら・・・悪霊に取り憑かれてたよ!作品データ
2014年 アメリカ
監督:アダム・ロビテル
出演:ジル・ラーソン、アン・ラムゼイ、ミシェル・アン

あらすじ

ミア、ギャビン、ルイスの3人はアルツハイマーに冒された老女デボラ・ローガンの医療ドキュメンタリの製作をしている。デボラ自身はドキュメンタリー製作には乗り気ではなかったが、娘のサラか治療費の確保のためにと説得されて渋々、同意したのだった。撮影は淡々と続けられ、過去は自宅で電話交換サービスで生計を立てていたこと、隣に住むハリーと楽しんでいるガーテニングのこと等々、デボラやサラの私生活に触れ、次第に打ち解けていくミアたち。

ところがある日、デボラが突如なんの理由も無しにギャビンに襲いかかる。言動も支離滅裂で全くの混乱状態。果ては自らの喉を掻き毟り皮を剥ぎたす。病院に搬送され主治医に話しを聞くと、この暴力行動は病気が進行しているためだと言う。落ち着き帰宅するデボラだったが、自傷行為や徘徊は次第にエスカレート、学んだことも無いフランス語まで話出す。ギャビンが彼女の言葉を解析してみると、過去に幼女を次々に誘拐し殺した男、デジャルダンの名前を語っていることが判明する。デジャルダンは 悪魔の降霊儀式のために4人の幼女を殺し、行方不明のままとなっている凶悪犯だった。彼の儀式には5人の幼女が必要だったのだが、犯行がばれるとともに姿を消していたのだ。これを切っ掛けにサラはデジャルダンに幼少の頃、誘拐されかけたことを思い出す。サラは”誘拐は未遂に終わった”と思っていたこの件、実際デボラがサラを救うためにデジャルダンを殺し、庭に埋めていたのである。デジャルダンの怨念はアルツハイマーに冒されたデボラの体を乗っ取り、死して尚、儀式の再開を目論んでいたのである。そして大量の土とミミズを吐き出し病院に搬送されたデボラ。体が乗っ取られる前に自分を殺せとハリーに願うも叶わず、体を完全に乗っ取られてしまったデボラは小児がん患者の女の子と姿を消す。一方、ミア達はデボラに取り憑いたデジャルダンの魂を追いはらう唯一の方法は、その屍体の焼却であることを突き止めるが。。

レビュー

悪魔・悪霊憑きといえば幼気な女の子が犠牲になるのが定番。しかし、今回はお婆さんである。しかも痴呆症の。おい、そのノリ、で大丈夫か?と不安になりますが、これがなかなか良い。老人は頑固だ。無力な子供と違って身体を簡単には受け渡さない。しっかりと抵抗するのである。その抵抗が異様な行動となって現れるという悲しい状態。しかも、その原因も本人は気がついているものの”墓場まで持って行く秘密”であるため、娘やドキュメンタリー取材班にも一切語ることが出来ない。唯一、ガーデニング仲間である隣人のおっさんだけは真実を知っているのだが、それがまた事情を複雑に・・・。ちょっと捻ったストーリーはなかなかスリリング。またあらゆる奇行を全て痴呆症として処理する医師には恐怖すら覚える。頑なにミミズを吐こうが皮を毟ろうが「うん!庭いじりの時にミミズをたべたのでしょう!あるある!」で済ませるのだ。諸悪の根源デジャルダンが行っていた邪悪な儀式は”蛇”を信仰対象としていたた、彼の登場以降、やたらとヘビがでてくる。しかも解剖されたヘビや食事中のヘビなど生理的な嫌悪感を感じさせるイメージが多く、この辺りも非常に強い印象を残す。ラストにヘビ化したデボラはかなりのインパクトだ。

それにしてもローガン家は不幸。愛する娘を守るために犯した罪が晩年になって災厄として降りかかり、肝心な愛する娘は自分のために行き遅れ、毎晩ウォッカをあおり寂しい夜を過ごしている。(確認予定)ジル・ラーソン演じるデボラの鬼気迫る演技が注目されるが、このサラの寂しい中年女性の雰囲気が何とも言えない。

ネタバレ&キャプチャスライド

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