トロール・ハンター aka.The Troll Hunter,Trolljegeren (2010)Director: André Øvredal | Country: Norway

Synopsis

クマが謎の死を遂げている!というわけで、調査に乗り出したノルウェーの学生3人。
調査を進めていくと、地元猟師から怪しいオッサンの存在を聞かされる。
どうもクマ殺しは、その怪しいオッサンが関わっているらしい。

早速、怪しいオッサンを探してみる3人。労せず、すんなり会うことはできたのだが、
取材を申し入れても全く相手にしてもらえない。うむ。これは確かに怪しげ・・っと
夜な夜な出かけていくオッサンの後を付けていく3人。
森の深くまでオッサンを追っていった3人は、巨大な生物を目撃する!


↑ババーーーン!三首トロル!!!

これを見ちゃったらしょうがねぇ!っとオッサンは事情を説明する。

「俺は、トロルハンター!ノルウェーの自然をトロル共から守っているのさ!
    ホントは秘密なんだけど、秘密にするのも飽きたので、俺と一緒に来いよ!!」


↑紫外線照射で石化したトロルをおもむろにハンマーで粉砕するおっさん

本物を見てしまった後では、オッサンを信じるしかない3人。

「・・・・わぉ、アンタ、ヒーローやん?」

そんなわけで、トロルハンターであるオッサンに行動を共にすることにした彼らだが
トロルの存在を隠蔽しようとする男が現れ・・。


↑邪魔者(後ろには、トロルの所行を誤魔化すため、どこからか運んでこられた死んだクマ)

Review

大迫力の巨人がドッカンドッカン暴れる、ノルウェーの気合いの入ったモキュメンタリー。
迫力だけじゃないぞ!設定もなにやら複雑だ。

・トロルには森トロルと山トロルがいて、争いをしている
・トロルの妊娠期間は15年くらい
・トロルは紫外線に弱い。紫外線を当てると石化するか爆発(!)する
・トロルは匂いに敏感。だからハンターはトロルの体液を体に塗りたくっている(すげぇクサイ)
・実は、ほ乳類

等々。劇中、トロルハンターが得々と語ってくれる。(実は、ハンター役の役者さんが全部アドリブで話している)


↑語る親父「昨晩の三首な、ありゃぁな、メストロルの気を惹いたり、ライバルを威嚇するために首を2つ増量してんのよ。わかる?」

設定周りで少し残念なのは、ハンターが「オマエはクリスチャンか?クリスチャンはダメだ!トロル狩りに同行させられない!」っと、きつく言うのですが、”なんでクリスチャンはダメなのか?”という説明は全然されないところ。後半、アラブ系の女がメンバーに加わるのですが「ムスリムは大丈夫なの?」という問いに対して「よくしらねぇよ!」っと、答えていることから、なんだかネタっぽくもあるのですが・・・。海外のレビューを見ても「クリスチャン嫌いの件については、説明不足!」っと言及されていたりします。
※コメント欄にて、情報いただきました。トロールは、キリスト教徒の血に反応するという設定が昔からあるそうです。


↑トロルハンター!

また、モキュメンタリーなので、例によって手持ちカメラのブレブレ映像が連続です。
しかし、肝心な所が見切られたりせず、トロル自体も全く出し惜しみをしていない。このため気分良く見ることができる。
さらにモキュメンタリーにありがちな極度の緊張が続くようなことも無く、ハンティングシーンにもコミカルな要素も盛り込んでいるのも大きな効果を上げている。
このコミカル要素による”ちょっと抜けたような感じ”が、逆にリアリティを感じさせるのだ。


↑ジャジャーーーン!!!
トロルの健康状態を調べるため、ハンターは巨大注射器を持ってトロルと勝負するのだ!
※検査の結果、トロルは狂犬病持ちであることが判ります。危ない!!!


↑巣穴を調査していたら、トロル集団が戻って来ちゃった!


↑放屁に悶絶する4人

トロルというと僕は小人をイメージするのですが(エンパイアピクチャーズのアレ)
北欧伝承ではやっぱり巨人。(実際、ウチの嫁さんはトロルっつったら巨人だろ?っと言ってました)その巨人トロルは殆どがCGですが、非常に違和感なく撮れています。「スカイライン」の有機体よりも、もっとリアルな印象です。さらに、ノルウェーの大自然も美しく見ることができる。これが前述の出し惜しみ無し演出とあいまって、とにかく爽快!
※トロルハンター役のオッサン、実はノルウェーではかなり有名なコメディアンとのこと。だから何か笑える感じがするんですねぇ。


↑エンパイアのアレ

↑対トロル用ランドローバー!!


↑デカイ!でかすぎる!!!(下の方の小さい影がハンターさんです)

本作の舞台である、ノルウェーでは未だにトロルの存在を信じている人々が多いとのこと。標識もあるくらいですからねぇ。そんなトロルをこんな扱いして大丈夫なのだろうか?


↑トロル注意の標識

ラストの超巨大トロルはものすごい迫力。劇場公開の暁には、是非、大きなスクリーンで楽しみたい映画だ。
※レビューから1年後、2012/03/24に日本劇場公開となりました!もちろん、劇場まで観に行きましたが大満足!!!

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